介護食でも衰えない祖母の食への探求心!?孫が作る『ペンネにソースはハコネーゼ』

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おばあの病気はじわじわと進行し、スイッチが切れたように深く眠る時間が増えていく。やがて覚醒している時間はわずかになり、一日中眠ったような状態に……。

そんな話を神経内科の先生から聞いたけど、まさか……ちょっと前まで“考えるより先に動く”、僕よりせっかちで活動的だったおばあが、“寝たきり”になるなんて、とても信じられない。

そう思っているうちに、言われたとおりになってきた。昼間でもぐっすり眠っていることが増え、声をかけても揺すっても起きる気配すらない。本当に“スイッチOFF”状態だ。

食事は起きているときを見計らって食べてもらうしかない。しかも寝起きでぼんやりしていると、噛む力はあっても、飲み込むときに肺に入って、誤嚥性肺炎を起こすかもしれない。

だから柔らかくて飲み込みやすい、市販の介護食や栄養ゼリーのお世話になることもよくある。通っているデイサービスの施設でも、食事のときは誰かが常に横にいて、やわらかいものを食べさせているそうだ。

とはいえ突然、スイッチが入ったように目を覚まし、生き生きとした表情を取り戻すことがある。しっかりとした口調で、あれこれと話したがり、スイッチOFF状態だったのが嘘みたいだ。

そうなるとわりとしっかり食べられるから、ここぞとばかりにおばあが好きなものを出している。

今回も“スイッチON”になった時間を見逃さず、
「コーンポタージュにしようか? とうもろこしのやつやで」
とおばあに聞いた。すると、
「そうか!ええな」
とパッと明るい表情に。

甘いものが貴重だった子ども時代、おばあは畑で採れた甘いトウモロコシが大好きだった。今でもトウモロコシで作ったコーンポタージュが大好物なので、いつでも出せるようにストックしてある。

そのコーンポタージュに合わせる料理といえば、やっぱり洋食。ハンバーグとかパスタとかいろいろあるけど、今回選んだのは――
ダイエーのグリーンアイのオーガニックのペンネが入った袋(パッケージ)
ペンネ!

おばあが口にするのは、たぶんはじめてだ。それでもペンネにしたのは、最近僕が自分で作って食べてみて、おばあもきっと気に入ると思ったから。

実は僕も、ペンネなんてほとんど食べたことがない。だけどおばあの代わりに料理をするようになって、いろんな料理を作ってみたくなった。この食への探求心は、毎回工夫を凝らした料理を作ってくれたおばあゆずりかもしれない。

とはいえ、出来合いのものを活用するのも、おばあと一緒。ペンネのソースは、創味『ハコネーゼ』、海老の旨みたっぷり濃厚トマトクリームのパッケージ
明石家さんまさんがテレビCMをやっている『ハコネーゼ』を買ってみた。

味は『海老の旨みたっぷり濃厚トマトクリーム』。自分で食べてみると、これがほんとうに濃厚でクリーミーで……絶対、おばあが好きなやつや!

というわけで、おばあにも出すことに。ペンネは既定の12分、ではなく20分以上ゆでて、おばあ好みで食べやすい“バリやわ”に。そのペンネを、飲み込みやすいように三分の一くらいに切って細かくした。
茹でたペンネに具材を盛り付けた皿やドレッシング、ハコネーゼのパッケージなどが並んでいる
ペンネと一緒に、ゆでた野菜や豚肉を盛り付け、
創味『ハコネーゼ』のソースをかけたペンネ
ドレッシングとソースをかける。そこに――
スジャータめいらく コーンつぶ入りポタージュをカップに移して温めたもの
温めたコーンポタージュを添えて、
ハコネーゼ、濃厚トマトクリームをかけたペンネやカップに入れたコーンポタージュの晩御飯
この日のメニューの完成!

おばあに出すと、まずは好物のコーンポタージュから……ではなく、
スプーンでペンネをすくっている
ペンネを介護用スプーンですくい、
介護用スプーンでペンネを口に運んでいるおばあちゃん(おばあ)
口に運んで、
介護用スプーンで食事をしている祖母
パクり! おいしいとわかっているコーンポタージュではなく、見慣れないものから食べ始めるとは、さすがおばあ。食への好奇心は今でも全く衰えていない。

さらに続けて、
介護用スプーンを使い、大きな口を開けて食事をするおばあちゃん(おばあ)
力強く口を開けて食べすすむ。

「どう?おいしい?」
と聞いてみると
「うん。うん」
と言うばかりで、スプーンが止まらない。
介護用スプーンで食事をして笑いをこらえている祖母
ソースを唇につけて、夢中で食べすすんでいるということは……
それだけおいしいってことなんやろ、おばあ!

そう聞いてみると、図星だったようで、
食事中に笑っているおばあちゃん(おばあ)
久々に顔をくしゃくしゃにして笑ってくれた!

さらに、どんどん食べてくれて、コーンポタージュをすすり、
「もう、腹いっぱいや」
とおばあは満足そうに言った。

病気にかかる前のような勢いで食べてくれて、何だかほっとした。僕の思った通り、ペンネとハコネーゼの組み合わせを気に入ってくれたのもうれしい。

コーンポタージュは半分くらいしか飲まなかったし、ペンネも完食とまではいかなかったけど、それはたくさん食べてもらいたくて、つい作りすぎてしまったから。

かつておばあが、僕が食べきれないほど大量の料理を作ってくれた気持ちが、作る側になってやっと理解できた。

しばらくすると、おばあはスイッチが切れたように眠りはじめた。これまでおばあは、僕やおじいや住み込みの大工の職人とか、そのときどきに一緒に暮らしていた家族のために、10代のころからおいしい料理を作って頑張っていた。だからこれからはゆっくり休んで、穏やかな日々を過ごしてや!


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リスナー200万人の人気ラジオ番組、
NHK『ラジオ深夜便』に、なんと僕が出演します!

放送日時: 7月15日(土) 午前1時05分~
インタビュー・コーナー「人ありて・街は生き」
「ありがとう!おばあめし 7000個のおにぎりの物語」(仮)
アンカーはNHK大阪放送局の中村宏さんです。
みなさま、ぜひ、お聞きください。

ラジオ第一、FM、国際放送、ネットラジオ(らじるらじるラジコ)同時。
※「聞き逃しサービス」:放送後、午前2時すぎから1週間、
「ラジオ深夜便」ホームページと大阪放送局深夜便ブログに音声がアップされます。