ウェルシュ菌なんて気にしない! おばあの2日目バターカレー


ウェルシュ菌なんて気にしない! おばあの2日目バターカレー

祖母(おばあ)が作った2日目のバターカレー

おばあが昨日、鍋いっぱいにつくったカレーは、僕ら2人では到底食べきれず、蒸し暑い台所で2日目を迎えた。2日目のカレーは、食中毒を起こすウェルシュ菌が繁殖するから食べないほうがいいと、おばあと一緒に見たテレビの情報番組でやっていた。たぶん、すごい数の菌がこの鍋の中にいる。

おばあが鍋ごと冷蔵庫で保管してくれていたと願うしかない。ところで、この大きな両手鍋が冷蔵庫に入るだろうか……なんてことを考えてはいけない。たとえお腹を壊しても、僕はこのカレーを食べずにはいられないのだから。

おばあは何を参考にしたのか、今回のカレーには、油の代わりにバターがたっぷり入っている。これまでになかった、まろやかな口当たりとクリーミーな風味が、進化を続けるおばあのカレーに新たなおいしさをもたらした。おばあのカレーの定番の具材、牛すじが入っていなくても、物足りなさはまったくなかった。

昨晩は一度おかわりして満腹になっても、数時間後にはまたこのカレーを味わいたくてたまらなかった。今日の昼は自宅に常備してあるレトルトのビーフカレーを、おにぎりと一緒に食べた。お腹は満たされても、昨日の味をはっきり覚えている舌は満足できなかった。

ようやくあのバターカレーにありつける! 少々お腹を壊したってかまわない。今日も腹いっぱい食べてやる! 僕はお玉を持つ手に力を込め、いつもなら皿の中央で半々にするところを、ごはんの上にまでカレーをよそい、急いで食卓に向かった。

2日目のバターカレーや酢の物など、祖母(おばあ)が作った晩ごはんのメニュー

メニュー
・バターカレー(2日目)
牛肉、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、バター
・タコときゅうりの酢の物
・タケノコの煮物
・枝豆豆腐

・サラダ
生:玉ねぎ、トマト、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草

2日目のバターカレー

カレーは水分が減って凝縮し、とろみが増している。昨日よりもやけに具材が目立つし、バターの香りも濃い。どうやらおばあは、具材やバターを追加している。僕はたまらずスプーンに手を伸ばし、カレーを多めにすくって口に運ぶ。やっぱり想像した……以上に濃厚だ。追加のバターと濃縮したカレーがお互いの風味を高め合っていて、ごはんがもっと欲しくなる。だからといってごはんだけを食べると、ますますカレーの割合が多くなる。

つい欲張ってカレーをごはんの上にまでかけたけど、普段通り半々にしておけばよかった。ごはんとカレーのペース配分が完全に狂ってしまった。口の中で暴れ回る濃厚なバターカレーを止めるには、ごはんを追加するしかない。僕はカレーを四分の一ほど食べ進めたところで、皿を手にして立ち上がり、
「ごはん入れてくるわ」
と向かいの席のおばあにいった。するとカレーをほおばっていたおばあは顔を上げ、
「今日はやめとけ!」
と力強くいった。口から飛んできたごはん粒が、僕のサラダの近くに落ちた。

昨日はカレーを2杯食べたのに、今日はだめだというのか。おそらく、僕がごはんを食べ過ぎているからだろう。近ごろ太り気味の僕はおばあから、ごはんのお代わりを禁止されている。昨日ははじめてバターカレーをつくり、味に自信もあったから、特別に許可してくれたのだろう。今日もごはんを追加すれば、僕の体脂肪は確実に増えてしまうはず。ましてやカレーには脂肪分の塊であるバターが追加されているのだ。

僕の体型と健康を気づかってくれるおばあに応えて、ここはごはんを追加せず、カレー過多の一皿を食べきるしかない。味はいいのだから、ごはんとカレーのバランスがどうかなんて悩めるだけでも贅沢だ。昨日は夜中にこのカレーが食べたくなって、水をがぶ飲みして耐えていた。今はバターカレーをじっくり味わえる幸せをかみしめよう。そう心に決めて、またカレーを食べる。うん、おいしい! だけど、濃い! と一口ごとに感じながら食べ進める。

タケノコの煮物

あっさりとしたタケノコの煮物や、

枝豆豆腐

自然な甘さの枝豆豆腐が箸休めにぴったりだ。

僕が料理をすべて平らげたときには、先に食べ終えたおばあは席にいなかった。台所を覗くとスプーンで何かを食べている。

メロンを食べる祖母(おばあ)

果肉がオレンジ色をした高級そうなメロンだ! 数日前に知り合いが、おじいの仏壇に供えるために持ってきたやつだ!

お供えのメロンを切ったところ

僕のぶんも、じゅうぶんすぎるほど残っている。もしかしておばあは、これを切るつもりだったから、僕にごはんの追加をさせなかったのか。お腹がいっぱいだと、せっかくの高級メロンも、おいしさやありがたみが薄れてしまう。

それにしても、メロンはもらってあまり日にちが経っていないけど、甘く熟しているのだろうか。スプーンを持つおばあの手に力が入っていて、何だか固そうだ。
「おばあ、甘いか?」
横から僕が聞くと、おばあはしばらく黙ってメロンを食べ、
「……早かったわ」
珍しく後悔したようにつぶやいた。そして、
「食べてみるか?」
と聞くので、僕がうなづくと、

メロンを切り分けたところ

一切れを皿に乗せてくれた。

皿に乗った切り分けたメロン

メロンは思った以上に固く、甘くなく、瓜のようなうすい味だった。ごはん少なめの濃厚なバターカレーを食べたあとには、ちょうどいい口直しだった。

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