エリンギに焼き豆腐にチーズまで煮込んだ、おばあの『新おでん』

おばあの家の戸を開けると、フワッと漂ってきたのは、ダシと醤油が合わさった食欲をそそる香り。嗅いでいると何だかほっとするこの感じは……おでんだ! この前もつくってくれたばかりだけど、肌寒くなってきた今、具だくさんで温かいおでんは毎日でもうれしい!

靴を脱ぎすて居間に急ぐと、そこにあったのは――
イスに座ってテレビを見ている祖母(おばあ)とテーブルの上の晩ごはん
先に食事を終え、テレビを見ながらくつろぐおばあと、湯気を立てるおでんの大鍋……じゃない!?

皿に盛られた煮物はあるけど――
祖母(おばあ)が作った、エリンギ、豆腐、すじ肉、ちくわ入りのおでん風の煮物
このダシの香りはやっぱり……おでんと同じダシで、煮物作ったんか、おばあ! 

それにしてもこの煮物、焼き豆腐に大きなエリンギまで横たわっていて、ただの煮物じゃなさそうだ。

まずは肉から食べてみると、脂身だと思った部分はコリコリとした歯ごたえがあって、その周囲の肉はとろりと溶けていく。これは……おでんに欠かせない牛すじ肉!? そして味も、おでんそのもの!

小さいちくわも転がっているし、まさかこの煮物……おばあ流の新しいおでんなのか! 焼き豆腐の淡白な味わいも、歯ごたえのあるエリンギの風味も、関西風のあっさりとしたダシに引き立てられ、ごはんにもよく合っている! 

やっぱりそうだ! これはおばあのチャレンジ精神が生んだ『新おでん』なんだ! おでんだからといって鍋から直接とらなくていいし、洋風の香りがするエリンギが入っていたってかまわない。

僕はおでんに対して、『こうあるべき』という固定観念で凝り固まっていた。それに対しておばあは、80代も半ばを過ぎているというのに、おいしいものを追求する食へのチャレンジ精神が、まったく衰えていない!

そんなおばあを称賛したくなったけど、どんな言葉で伝えていいかわからない。そのまま箸を進めていると――
「ちくわも食べたか?」
と向かいの席のおばあが言った。

ちくわなんて、わざわざすすめてくるなんて……わけもわからず、言われた通りちくわを頬張ってみる。ちょっと小さめだけど、ちくわといえばやっぱりおでんのあの味だろう……と思ったら、中から柔らかな感触のものが溶けだしてきた。食感はなめらかで、少し酸味があって‥…これ、チーズ入ってるやんか、おばあ!

そういえば、この小さくてコロンとした形、ちくわが入った『チーちく』として売っていたのを食べたことがある。

おでんのダシで煮た『チーちく』とは……。はじめての体験で驚いたけど、味はチーズとダシの旨味が合わさっておいしさが倍増し、おでんの具材として絶品だ!

「これ、おいしいやんか!」
と思わず言った。

さっきはどう褒めていいかわからなかったけど、僕の単純な一言で、おばあはテレビを見たままニヤりと笑った。

メニュー
・おでん風煮物
 エリンギ、焼き豆腐、スジ肉、チーちく
・焼き魚(ニギス)
・野菜
 生ピーマン、茹でほうれん草、にんじん、ブロッコリー
・納豆
・ごはん
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『おでん風煮物』以外のメニューは以下の通り。

焼いたニギス3匹
焼いたニギス3匹に
生ピーマン、茹でほうれん草、ブロッコリー、ニンジンを皿に盛りつけたサラダ
いつもの野菜にブロッコリーまで追加されているサラダ
たまご醤油たれ納豆を混ぜたもの
納豆は付属のタレだけで、たまごを入れたみたいな濃厚なおいしさにになる『たまご醤油たれ』!
ごはんに納豆を乗せた納豆ごはん
これを納豆ごはんにすると、たまらない!

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