孫の好物三重奏!おばあが作る牡蠣カレー鍋

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また一段と寒くなり、感染症が怖い季節がやってきた。コロナの感染者数は落ち着いているけど、おばあにとってはまだまだ油断大敵。食欲があって元気に見えても、何せおばあは来年米寿を迎える高齢だ。高血圧症という長年の持病もあるし、ひとたびコロナにかかれば軽症ですむとは思えない。

というわけで人が集まるスーパーや商店街には、できるだけ僕が買い物に行くようになった。今日はおばあから「鍋に入れるもん買うてこい」と指令を受け、スーパーに向かった。

野菜をカゴに入れ鍋の素コーナーにさしかかると、そこにはひと際、異彩を放つ黄色いパッケージが! これは『カレー鍋スープ』! しかも『CoCo壱番屋監修』の文字! ココイチのカレーを鍋にしてしまうなんて……インド人もびっくりの、絶対おいしいやつ! 

迷わずカゴに入れ会計をすますと、おばあの家に急いだ。そして、
「こんなん買ってきたで!」
と僕が興奮気味に差し出しても、
「そうか」
とおばあは言うだけで、目も向けず平然とテレビを観ている。一体どういうことだ……。

そういえば、この前のトマト鍋のときも全く驚くそぶりを見せなかった。おばあは焼売や玉子焼き、タコさんウィンナーを鍋にしてしまうくらいだから、鍋の味が何であれ大した違いはないらしい。

それにしても……カレー味の鍋、それもココイチのカレーやで! 僕と同じくカレーも鍋も、おばあの好物だったはず。それがひとつになるなんて……どちらも煮込み料理だし、今まで思いつかなかったのが不思議なくらい、最強の組み合わせやんか!

夕飯にはまだ早いけど、もう食べたくてたまらない。調理を手伝おうかと申し出ても
「邪魔やからええわ」
と即座に断られてしまった。

仕方がないので料理はおばあにまかせ、部屋の掃除をして気を紛らわせていると、カレーの食欲をそそる香りが漂ってきた。たまらず台所に行くと、色とりどりの具材が大鍋の中でカレー色のスープに浸かっている!

白菜より合うと思って選んだキャベツ、ニンジン、大根、こんにゃく、どれも僕が買ってきた食材だ。それに――

 
 
 
 
 
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牡蠣がたっぷり! って、そんなの買ってきてへんで、おばあ!

聞くと、知り合いが瀬戸内海産のむき身の牡蠣を送ってくれたらしい。それを惜しげもなく大量に、しかもカレー味の鍋に投入するなんて……僕にはちょっと思いつかないけど、味を想像すればするほど、よだれがあふれ出てくる。

「いっぱい入ってるから、よろこんで食べや!」
とおばあが鍋をかき混ぜながら言う。これをよろこばずに、何をよろこぶというのか!

「もうええやろ」
とおばあが告げると、僕が鍋を持ち一目散に食卓に持っていく。鍋から立ち上るカレーの香りを至近距離で顔に浴び、空腹はもう限界寸前!
牡蠣入りのカレー鍋
いつもは時間が合わずおばあが先に食べ終えているけど、今日は一緒だ。おばあのぶんも皿をセッティングしようとしたとき
「ほら、さっさと食べや」
カレー鍋の具を小皿に取り分けたところ
とおばあが珍しく、鍋の具を取り皿によそってくれた。

それほど、熱々の出来立てを食べさせたいとは……うれしくなって、遠慮なくまずは僕から食べはじめ
る。
小皿に取り分けた牡蠣入りのカレー鍋
牡蠣は新鮮でとろりと柔らかく、カレー味が濃厚な磯の風味を引き立てて、もう、たまらない! それにもちろん、ごはんにめちゃくちゃ合う!

これは汁ごと、ごはんにかけずにはいられない。牡蠣入りカレー鍋の具をごはんにかけた、スープカレー
鍋の具材がたっぷりで牡蠣まで入って、ダシも効いている。ふだんのカレーやスープカレーとはひと味違う、他にはないおいしさだ! 

そういえば、チキンカレー鍋にしたくて鶏肉も買っていたけど、牡蠣があればむしろ邪魔になりそうだ。さすがおばあ、あるもの全部投入しているようで、ちゃんと考えている。

それに野菜が山盛りの鍋なのに――
キャベツとブロッコリーのサラダ
サラダまで用意してくれた。茹でたキャベツに生のブロッコリー、刻んだピーマンがトッピングされている。

メニュー
・カレー鍋(ダイショー『CoCo壱番屋監修 カレー鍋スープ』)
牡蠣、大根、ニンジン、ネギ、キャベツ、こんにゃく
・サラダ
茹で:キャベツ 生:ブロッコリー、ピーマン
・ごはん

こんなおいしくて栄養満点の料理を食べたら、風邪にもコロナにも負ける気がしない!

あまりに夢中で食べていて、おばあの食べるところを撮りそこねてしまった。とはいえ味の感想を聞くと、
「100点!」
と満点の評価! その声には、いつもより力強さが感じられた。海の滋養満点の牡蠣もパクパク食べていたし、これでおばあも元気に過ごしてくれそうだ。