インフルエンザのおばあ、カレーを配った疑惑。3日めのカレーとポテトサラダ


インフルエンザのおばあ、カレーを配った疑惑。3日めのカレーとポテトサラダ

メニュー
・カレー(3日め)
牛すじ、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、謎の肉のカツ
・たまご焼き
・大根おろし
大根、じゃこ
・サラダ
生:トマト、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草 ポテトサラダ

3日連続でカレーでよかった。カレーは毎日食べても飽きない僕の好物だということもあるけど、おばあが今回つくったカレーは、僕の好き嫌いどころではない深刻な問題をはらんでいる。

おばあはインフルエンザにかかっているだけど2日前に大量にカレーをつくり、近所に配ろうとしていた。インフルエンザ患者のつくったカレーを介して、町内の人たちがウィルスに感染してしまう。大鍋のカレーを見てそう思った僕は、カレーを配ることで起こる惨劇を、カレーを食べながらおばあに語って聞かせた。

頑固なおばあはただ、黙って聞いていた。それが3日めにもカレーが皿にたっぷり盛れるほど残っているということは、僕の話を受け入れてくれたということだろう。

しかもおばあは今日、買い物に行っていないようだ。カレーにのっている謎の肉のカツは昨日、スーパーで買ってきたものだし、大根やたまごといった他のおかずの食材は冷蔵庫に常備してある。昨日まで、インフルエンザにかかっているのに外出していたおばあは、やっと家でゆっくりと休んでくれたのだ。だるそうな様子はなくなり、いつもの調子に戻っている。

ただ気になるのは、サラダの上にこんもりと盛られているポテトサラダ。茹でたじゃがいもをつぶし、刻んだハムやきゅうりを混ぜているところまでは、おばあがこれまでつくっていたものと同じだ。そこに今日は、形の不揃いな小さな黒いつぶつぶが加えられている。ポテトサラダを口に入れるとピリっとした刺激がある。粒の正体はあらびきの黒胡椒だ。

おばあの家の台所には、ラーメンに合うSBの〈テーブルコショー〉ならあるけど、あらびきの黒胡椒なんて、洋風料理に使うようなしゃれた調味料はなかったはず。

ポテトサラダの出どころをおばあにたずねると
「もらったんや!」
とのこと。それはおかしい。ご近所の人は、釣りに行って大漁だった小さなイワシをわけてくれたり、おばあが友人同士で持ち寄りのパーティーをしたときに煮物をくれたりする。だけど何もないのに、料理をくれることは滅多にない。「ポテトサラダをつくりすぎたからあげます」なんてことは今までに一度もなかった。

まさか、おばあはカレーを配ったんじゃ……。そのお礼に、ポテトサラダをくれた。そうだとしたら、大変なことになるかもしれない。だけど僕は毎日2杯ずつ、3日連続でカレーを食べている。おばあが人にあげていたら、これほど残っていないだろう。

いや、まてよ。僕は2日前の夜に大鍋に入った大量のカレーを見た。だけどおばあは、それより前にさらに多くのカレーをつくっていて、すでに配り終えた後だったとしたら……。おばあはあの日、僕がカレーを配る危険性をとうとうと説いても、まったく返事をしなかった。あれはすでに誰かにあげた後だったから、返事のしようがなかったのか!

実際にそうなのか、僕はテーブルの向かいのおばあにたずねた。食事中なのにおばあの目はうつろで、ゆっくりと僕をひと目見て、まぶたを閉じた。図星だから答えるのが嫌で寝たふりをしているのか、まだインフルエンザの影響があって体がだるいのかわからない。どちらにしてもどうせ、答えてくれないだろう。だからそのまま、しばらく寝かせておくことにした。

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