春を告げる旬の食材で健康に!若ごぼうとフキの炊いたんと塩サバ

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メニュー
・若ごぼうとフキ、鶏肉の炊いたん
若ごぼう、ふき、鶏肉
・塩サバ
・みそ汁
豆腐、白菜、わかめ、青ネギ
・サラダ
生:イチゴ、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草
・ごはん

焼いた塩サバと野菜をたっぷり使った料理が並んでいる。細かく切った鶏肉と煮ているのは大阪府八尾の特産品、若ごぼう。根は普通のごぼうよりも短くて色がうすく、緑の茎や葉まで食べられる。出回る時期は短く、毎年おばあが若ごぼうを使った料理を出すと、春が近づいていることを感じる。

若ごぼうの茎は煮ても曲がらず、根に負けない歯ごたえがある。しんなりとして甘辛い味が芯まで染み込んでいるのは、こちらも季節の野菜であるフキ。

「その時期に採れる野菜はうまいし、体にええんや!」
煮物を食べながらおばあがいった。愛媛の山奥で野菜ばかりを食べて育ち、82歳になってもフィットネスで汗を流すほど元気なだけあって、今のおばあの言葉にはいつも以上の説得力がある。

みそ汁の具材は浮かんでいるというより、器の底から大量に積み上がっている。サラダには普段のっているトマトがないけど、旬のイチゴが緑の野菜を取り囲んでいる。

メインは肉ではなく魚だ。それもとくに血液をきれいにする効果が高いという青魚のサバ。今日のメニューはとりわけヘルシーな感じがする。昨日は山盛りのとんかつと大きなたまご焼きがダブル主演の、動物性タンパク質がたっぷりの重たいメニューだった。だからおばあは今日、栄養のバランスを考えて、健康的な料理をそろえたのだろう。

食物繊維が豊富な若ごぼうやフキ、脂の少ない鶏肉……野菜、イチゴ、塩サバ。一口食べるごとに全身が内側から浄化されていくように感じる。どんどん箸がすすみ、おかずよりもごはんが先になくなった。もう一杯食べようと席を立ち、茶碗を片手に炊飯器の前に立つ。だけど僕は昨日のメニューを思い出し、茶碗をそっとシンクに置いた。今日は健康的に、腹八分目でやめておこう。

食事を終えると、こんどはおばあが席を立った。台所に行き、戻ってきたおばあの手には、プラスチックケースにのったおいしそうなものが……。うす茶色の見るからにやわらかい生地に、ねっとりとして甘そうな生クリームが挟まっている。これは! 近所のダイエーで売っているお徳用のワッフルだ。5つ入りのケースの、すでに2つがなくなり、残っているのはあと3つ。

昼間におばあが2つを食べてしまったのだろう。それでもおばあはテーブルにつくとためらいなく、ひとつをつかんで半分ほどを口いっぱいにほおばった。さっき食べたばかりのヘルシーな料理は何だったんだ! と思ったけど、僕のお腹にもちょうど2個くらい、ワッフルが入る余裕があることに気がついた。