僕の祖母、おばあは実はパーキンソン病を患っている。去年の2月にコロナにかかる前は、まだその疑いがあるだけだったけど、10日間入院したあとから、次第に症状がはっきり表れるようになった。
おばあはそのころから、病気のことを公表していいと言っていた。日ごろ僕が読んで聞かせている応援のメッセージが、台所に立てなくなったおばあを励まし生きる力を与えている。だからこそ、このブログやSNSを通して声援をくれるみなさんには、病気のことを正直に伝えたかったそうだ。
いつもありがとうございます。
でも文章にするのはこれが初めてだ。僕のほうが迷っていた、というより、おばあの体調が元通りになって、またおいしい料理を作ってくれるはず。そうなれば病気を公表する必要もない。という期待を捨てきれずにいたからだ。
実際、活発に動けるときもあり、このまま回復するのでは、と思うこともよくある。だけど病気がウソのように元気になる時間はだんだんと短くなり、もう進行性の病を患っていることは疑いようもない。
これからは病気と付き合いながら、幸せな時間を過ごしてもらうことが重要だと思う。
今は薬で可能なかぎり症状を抑え、デイサービスに行ってリハビリも続けている。それでもパーキンソン病は根本的な治療法はなく、だんだんと筋肉が動かなくなり、歩くのも難しくなっていく。
いつの間にか転んでいたこともあり、つい最近もふと見ると目の横にあざが!
さっそく病院で診てもらい、軽い打ち身だとわかってほっとした。
すでに壁には手すりを取り付けていたけど、さらにその数を増やし、おばあの動線すべてに取り付けた。症状緩和のために、薬やリハビリ、手すりを付けたりする生活上の工夫は欠かせない。それに僕にできることといえば、やっぱり食事だ!
野菜多めで、筋肉を維持する肉類も欠かせない。本当はもっと健康的な青魚を食べてもらいたいけど、おばあはかなりの肉食派。
僕も子どものころは、おばあと一緒でとにかく肉が大好きだった。魚は骨が多くて食べにくいし、独特の臭いも苦手だった。
魚が好きになったきっかけは……そうだ、缶詰だ! サバ缶やイワシ缶なら、骨まで柔らかいし、みそや醤油が芯までしみ込んで生臭さも消えている。
おばあ自身、魚が嫌いなくせに、僕には缶詰めの魚を出してくれた。時短のためだと思っていたけど、本当は僕の健康を気遣ってくれていたのかも……いや、今考えると、そうにちがいない!
今度は僕が、おばあに出す番だ。缶詰の魚のおいしさを、当時のおばあもわかっていたのだから、きっと食べてくれるはず! というわけで、
今回の『まごめし』のメインはイワシ缶。
野菜は――
小松菜とニンジン、レンコン、それに青魚と同じく血管にいいという玉ねぎをレンジでチン! 全部
おばあに食べてもらいたいものばかり。
レンチンした野菜は、ポン酢やドレッシングで味付け。ごはんには、おばあの好きなとろろ昆布をトッピングした。温めたイワシの味噌ダレがかかって、ほとんど味噌味に……。
メニュー
●イワシ缶(味噌味)
●レンチン野菜(小松菜、ニンジン、玉ねぎ、レンコン)
●とろろ昆布のせごはん
それをワンプレートにして、おばあに出すと、
さっそく両手のスプーンで
パクパクと口に運ぶ。
野菜もこうして、
豪快にパクり!
とろろ昆布をのせたごはんも、イワシもしっかり食べて、
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この笑顔! 今回こそ、出るか100点! と思ったけど……おばあの評価は
「90点」
って、マイナス10点はなんなんやー! と一瞬、言いたくなったけど、苦手な魚を食べて――
この笑顔が見られたら充分だ!
全部きれいに平らげてくれたし、これでおばあの血液がサラサラになって、もっと元気になってくれたら、僕にとっては120点やで、おばあ!