おばあのカラフル野菜の新作炊き込みごはん!2色のパプリカの次は、緑のほうれん草!?

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おばあが先日、僕の好物の炊き込みごはんに入れたのは、なんと……2色のパプリカ! 華やかな赤と黄色で、定番の和食がイタリアンみたいな色彩になって、春らしく陽気な気分に包まれた。

肝心な味はというと……意外にも相性ぴったり! 醤油の塩気にパプリカの甘味が引き立ち、格別のおいしさだった。

おばあは独特のセンスと長年の調理経験で、新たな炊き込みごはんを生み出した。もちろん僕は「こういうの、また作ってや」とリクエスト。

だけどおばあは、素直に「わかった」と返事をしてくれなかった。頑固なおばあは人から指図されることを嫌がって、僕のお願いを無視することなんて日常茶飯事だ。

特に料理についてはプライドとこだわりがあるらしく、僕の言い方が気に入らないと「そんなら、自分で作れ!」とヘソを曲げてしまい、しばらく会話もしてくれなくなる。

だけどこのときは、僕が新作炊き込みごはんを心から褒めていたし、おばあもまんざらでもない様子だった。

おばあはちょっと頑固だけど、得意の料理に関しては食べる相手を喜ばそうという、旺盛なサービス精神も持ち合わせている。突然、新作をリクエストされてもいいアイデアが思い浮かばなかっただけで、そのうち忘れたころに作ってくれるはず!

今晩も僕が晩ごはんを食べに来ると、おばあは――
晩ごはんの食卓に着いた祖母(おばあ)
「ああ、来たか。さっさと食べや」
と穏やかな調子で迎えてくれた。

心なしか声にも表情にも張りがなく、なんとなく疲れている様子。朝はまだ肌寒いのに、昼間は25度を越える今年初の夏日になって、気温の急激な変化に体がついていけていないのかもしれない。

こんな日は、料理もあまり手間のかかからないものだろう。新作の料理なんて、期待できそうもない。

そう思って油断していたら、食卓のお茶碗には……赤でも黄色でもなく――
祖母が作ったほうれん草入りの炊き込みごはん
緑色のごはんが!? 炊き込みごはんの新作、もう作ってくれたんか、おばあ!

このごはん、緑の野菜がたっぷり混ぜ込まれている。さっそくひと口食べてみると……この醤油とダシに合う、ほろ苦い野菜の味わいは、ほうれん草だ!

ほうれん草はサラダに入っていたり、おひたしにしたり、毎日のように食卓に上るけど、こんな使い方するなんて……おいしくて見た目も鮮やかで、ポパイの好物で栄養面もばっちりで、最高やで、おばあ!

他に入っている具材はニンジンだけという潔さも、おばあの美意識を感じる。

そしておかずには、これまた珍しい――
サラダと一緒に皿に盛りつけられた焼いたマグロのカマ
大きなマグロのカマが、サラダの上に豪快に横たわっている!
マグロのカマの塩焼きの身をほぐしたところ
外はこんがり、中はふっくらで焼き加減は程よいミディアム。味付けはシンプルに塩だけで、マグロのうま味がダイレクトに押し寄せてくる。

たまらずごはんをかき込むと、ほうれん草の苦味と風味が、マグロのうま味を引き立てる! それぞれが別の料理として成立しているけど、一緒に食べるとまた新しい味わいが口の中で誕生する。

ほうれん草の炊き込みごはんも、マグロのカマとの取り合わせも、僕にはとても思いつかない絶品メニューだ。
祖母(おばあ)が作った豆腐とわかめの味噌汁
豆腐とわかめのシンプルな味噌汁も、たまらなく合っている。

メニュー
・ほうれん草の炊き込みごはん
・マグロのカマの焼いたん
・豆腐とわかめの味噌汁
・野菜
 生:トマト、キャベツ、ブロッコリー、ピーマン 茹で:ほうれん草

「今日のごはん、おいしいで!」と感想を伝えようと思ったら――
食後に座ったまま眠っている祖母(おばあ)
おばあは座ったまま、すやすや眠っていた。

疲れていたのは気温差よりも、これだけの献立を用意したからに違いない。今日はしっかり休んでもらって、「おいしかった」という気持ちは、おばあの好物の甘いものをプレゼントして伝えようと決めた。新しいメニューを作ってくれたおばあのチャレンジ精神を見習って、近いうちに僕もちょっと珍しいものを探してこよう。