おばあはもう止まらない。つくる頻度も加速する!今年2度目のキムチ鍋

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・キムチ鍋(今年2回め)
春菊、豚肉、白菜、もやし、えのき、マロニー、ミツカン「〆まで美味しいキムチ鍋つゆ ストレート」
・野菜
生:ミニトマト、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草
・ごはん

居間の戸を開けると、おばあはすでに夕飯を食べはじめていた。普段はこの時間なら僕を待ってくれている。おばあは最近、腹回りが太ってきたことを気にしていた。毎日食べているチョコレートやせんべいを制限するダイエットを今日からはじめて、夕飯まで耐えられないくらいお腹が空いてしまったのだろうか。

おばあは僕に視線も向けず、一心不乱に小皿の中身をかき込んでいる。おばあの正面、テーブルの中央にのっているのは大きな土鍋。上から覗くとたっぷりの具材が赤い汁に浸っている。キムチ鍋だ!

キムチ鍋はこの間、一緒に食べたばかり。おばあはもともとキムチが大好物で、テーブルにあるとなくなるまで食べてしまう。だけどおばあはかなりの高血圧。塩分の多いキムチを食べ過ぎると、おばあの血圧はさらに高くなる。それを自覚しているらしく、キムチはたまにしか出さないしキムチ鍋もめったにつくらない。

10日ほど前に食べたキムチ鍋が、よっぽどおいしかったのだ。そのときに、2日めの鍋に入れてキムチと相性がよかった春菊も、今回ははじめから入っている。

おばあは取り皿をまたたく間に空にして、またすぐ山盛りによそっている。その山のてっぺんにあるのは決まって、キムチの赤に映える緑の春菊だ。おばあは食べ続けている。ダイエットなんかしていない。このキムチ鍋の春菊を食べたかったばかりに、僕を待てなかったのだ。

市販のつゆを使っている鍋なら、キムチそのものよりも血圧への影響は少ないだろう。だけどおばあの食べっぷりを目の前で見ていると心配になる。このままおばあだけに食べさせておくわけにはいかない。先に半分以上食べてやる。僕は取り皿を山盛りにし、あふれそうなほど汁もたっぷりよそった。春菊だけは取らなかった。