土鍋にぶち込むシメじゃない。残った汁で一杯ずつつくる。キムチ鍋うどん


土鍋にぶち込むシメじゃない。残った汁で一杯ずつつくる。キムチ鍋うどん

メニュー
・キムチ鍋うどん
豚肉、春菊、前日のキムチ鍋の汁
・温奴
豆腐、かつお節
・野菜
生:ミニトマト、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草

大きな土鍋いっぱいのキムチ鍋を、おばあと二人で食べ尽くした。それが昨日のこと。キムチ味の汁は残っていたけど、僕らの腹にはもう、シメの雑炊やうどんが入る余裕はなくなっていた。

おばあは僕と競って食べるくらい、キムチ鍋を気に入っている。残った汁につゆや具材を追加して、今日もキムチ鍋をつくるだろう。そう思っていた。だけど台所から現れたおばあが両手に抱えていたものは土鍋ではなく、底の深いどんぶり鉢だった。

これは、デジャヴ! 一昨日と同じだ! あのときはカレーだった。2日目のカレーを楽しみにしていたら、カレーうどんが出てきたのだ。おばあがはじめてつくったカレーうどんはおいしくて、おばあのカレーに新たな境地をもたらした。今日も、まさか……。

僕はごくりとつばを飲み込み、目の前に置かれたどんぶりを覗き込む。やっぱり、うどんだ。キムチ色の汁に、太めの麺がたっぷりと浸かっている。表面には豚肉が浮かび、鮮やかな緑色の生の春菊がいろどりを添えている。

味は全体的に刺激が強い。汁は少し煮詰まり、うま味も塩味も濃いめで辛い。生の春菊を口に入れると、野性味のある苦さが広がる。そこに豚肉とともにうどんをすすり込むとたまらない。強い個性の素材の味が、口のなかでひとつになる。

隣の皿の木綿豆腐をあたためた温奴もうどんに合う。一口サイズに切られているのはうれしい工夫だ。そのままかつお節と一緒に食べてもいいし、汁に浸してうどんの具材にしてもうまい。

だけど気になることがある。なぜうどんをわざわざ、僕とおばあに一杯ずつつくったのかということだ。うどんも春菊も豚肉も豆腐も、全部一緒にキムチ鍋の残った汁で煮てしまうこともできた。そのまま土鍋から各自が小皿に取り分けてもよかったはずだ。味もほとんど変わらないだろう。

おばあに聞くと、
「土鍋のままやったらいろいろと、他にも入れてしまうやろ!」
とのこと。

たしかにシメでもないのに、大きな土鍋にうどんと少しの具材しか入っていないのは寂しい感じがする。昨日と同じように具材をたっぷり入れたくなるというのもわかる。そうなるとまたつゆも追加して、うどん入りのキムチ鍋が完成するだろう。今日はもう、昨日のようには食べられない。かなり食べすぎたので次の日くらい、うどん一杯で十分だ。おばあも同じことを思っているはず。

ところが麺をすすっているうちに、キムチの辛さに食欲が刺激されたのか、麺も具材もなくなりかけているのに腹はまだ満たされない。ついに汁だけになってしまった。

僕は立ち上がり、台所に向かった。そして炊飯器の前に立つ。居間からおばあの声がした。
「こっちにも、ごはん入れてくれや!」

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