“おばあの粕汁”をアレンジしたセロリ入り“粕汁鍋”!寒い日に体も心も温まるで、おばあ!

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季節外れの暖かさで、公園を歩いているとじっとりと汗が。真夏みたいな恰好の人もちらほら。かと思えばその翌日、急に冷え込み、薄着で出かけたことを心底後悔するはめに。

あわてて冬物を出して数日後、なんだか背筋がぞくぞくするように……。

これ、風邪のひきはじめじゃ!? まずい! このままでは風邪をひいて……咳でも出るようなったら、毎日のように通っているおばあが暮らす介護施設にも面会に行けなくなってしまう。

こんなときは、おばあも以前、よく作ってくれた――

↑粕汁であったまればいい!

というわけで買ってきたのが――

大根や白菜、鮭など、粕汁に使う食材
こんな食材。味の決め手は、おばあも使っていた――

袋に入った日本酒『黄桜』の酒粕

『黄桜』の酒粕。メインの具材は、この前ホイル焼きに使った――

フリーザーバッグに入った冷凍した鮭の切り身
秋鮭の残りを冷凍したもの。酒粕に鮭、これさえあれば、はじめて作っても“それらしい”粕汁ができるはず! だけど今回作るのは、ただの粕汁じゃない。汁物だけだともう一品、メインのおかずが欲しくなる。

それは面倒なので、ひとつで満足できるように粕汁を――

鍋料理を作るために水とだしパックを入れた土鍋
土鍋で作って“粕汁鍋”にしてみる。

材料は――

台所に置いた食材、生のセロリや白菜、キノコなど
鍋ものに欠かせない白菜やキノコ。それに、僕の好きなセロリやトマトも。

おばあは以前、鍋で炊く料理は「好きなもん入れたらええ」と言っていた。だからクセの強いセロリやトマトも、きっとぴったりと合う……はず!

味付けは、おばあが作っていたところを思い出し――

酒粕と味噌を容器に入れて混ぜている、粕汁を作るための調味料
酒粕と味噌を、酒粕多めの2対1くらいの割合で――

酒粕と味噌を容器に入れて混ぜ合わせた酒粕の味付け
水を加えて混ぜ合わせる。おばあはここで少し醤油を垂らしていたけど、今回は冷蔵庫に残っていた、うまみが強い石川県の魚醤『いしるだし』を加える。

鍋にはまず、

粕汁を作るために土鍋で煮ている大根やニンジンや玉ねぎ

根菜類を入れて少し煮て、

鍋で粕汁を作っているところ
酒粕と味噌を溶かしたものを加え、セロリの茎の部分を入れてまた煮る。すると、えもいわれぬ香りが立ち上り、かぐたびにごはんが欲しくなる。

それから、

土鍋に白菜や豚肉を入れて煮て、鍋料理を作っているところ

冷凍室に残っていた豚肉や、大きめに切った白菜を入れる。

さらに、

土鍋で作っている鍋料理

冷凍の鮭やキノコ類、セロリの葉の部分など残りの具材を追加し、フタをしてしばらく煮る。

それから、鍋つかみで慎重に鍋を持って――

フタをした土鍋を真上から撮った画像
食卓へ運ぶ。

フタを開ければ湯気とともに現れた――

フタを取った鍋料理を真上から撮った画像
粕汁鍋の具材がぎっしり。

メニュー
・粕汁鍋
鮭、豚肉、白菜、大根、玉ねぎ、にんじん、えのき、しめじ、トマト、セロリ
・もち麦入りごはん


土鍋で作った味噌と酒粕の鍋料理
具材を小皿に取り分け――

小皿に取り分けた鮭やニンジンや大根など、酒粕と味噌の鍋料理の具材
いただきます! まずは熱々の汁をすすると……これ、これだよ! と思わず叫びたくなる、久々の粕汁の味! いろいろ入れて鍋にして、なんとなくセロリの香りもするけど、想像以上にちゃんと粕汁になっている。 

鮭をほおばると、これまた懐かしい味。たまらずほかの具材も食べすすめると、体が芯から温まってくる。背筋のぞくぞくも、いつの間にやらなくなっている。

それにこの味、やっぱり――
漆塗りの器に入った麦入りのごはん
ごはんにもぴったり!

酒粕を多めに入れてよかった。おばあが作ってくれたやつみたいに、酒粕のうまみが濃厚で、ごはんがすすむ! 

そして気になるセロリは、長めに切った茎をぱくり。よく煮たので柔らかく、セロリの風味が粕汁の味に……よく合ってる! おばあに言われたとおり、鍋で炊く料理には「好きなもん入れたら」おいしすぎるで、おばあ!

シメは残ったごはんに――

鍋の具材をごはんにかけた鍋のシメ
こうして鍋の具材を汁ごとかけて、かきこむ! すると、もう止まらない! 

それに土鍋だから、最後まで冷めずに熱い!

六年近く前、おばあが粕汁を作ってくれたとき、すぐに食べなかったので、「せっかく熱いもんを出してるんやから! 冷めてしまうやないか!」と怒られたことを思い出す。

あのときは「食べるのは僕だし……」とか、心の中でぐずぐず反論して、素直に認めようとしなかった。でも今になって、あらためて実感する。粕汁は熱いほうがいいって、おばあのいう通りやで! 

明日、またおばあが暮らす介護施設に報告に行こう。もしあのときのことを覚えていたら、「そうやろ。言った通りやろ」と、得意げな顔で笑ってほしい。