買ってよかった富山土産!海津屋の氷見うどんで、不調のおばあも食欲回復!?

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9月に入って梅雨のような天気が続き、気温が下がったお陰か、暑さで落ちていた食欲が復活してきた。いつも以上に腹を空かせ、おばあの家まで歩いて5分の道のりを小走りでやってくると……一体、どういうことだ!?

テーブルに乗っているはずのものがない! いつもなら晩ごはんの料理がずらっと並んでいるのに!

向かいの席のおばあはというと――

食後に椅子に座ってテレビを見ている祖母(おばあ)

居間に駆け込んできた僕には目もくれず、じっとテレビのニュース番組を眺めている。画面に映っているのは、ぼさぼさ頭で叫ぶイギリスの首相のどアップだ。イギリスがEUを離脱するかどうかなんて、おばあはまったく関心もなければ、意味もわからないはず。それなのに、呆けたようにぼうっと見入っている。

もしかして、本当に……!? 今が晩ごはんの時間だということも、自分が何を見てるのかも、そして僕がやってきたことも……わからなくなっている!?

「おばあ! 来たで!」
テーブル越しに叫ぶと
「わかっとるわ」
いつもの大声より、ずいぶん覇気のない返事が返ってきた。
「じゃあ、なんで晩ごはんがないんや?」
「なんや今日は、じゃまくさいんや。台所行って、自分でつくってこい」

よかった。どうやらボケてはいないようだ。だけど、こんなこと今までなかったぞ。この前おばあの家でインスタントラーメンをつくったときも、他に何種類もおかずを用意してくれていた。それが今晩は、食卓にまったく料理がないなんて……。

長く居座る低気圧のせいで、気分がよっぽどすぐれないのだろう。こんな日は持病の片頭痛と関節痛がうずくと、梅雨時にもいっていた。おばあはもう80代の半ばを越えていることだし、無理をするのは禁物だ。しんどいときにはゆっくり休んでいてほしい。

ところが、
「今日はもう、ベッドで寝たほうがええよ」
とすすめても、
「お前が帰るまで、ここにおる」
とおばあは強がる。
「じゃあ、もう帰るから」
そういって僕が立ち上がると、
「ええから、晩ごはんつくって食べていけ!」
大声で怒られてしまった。

強情なおばあは、一度口にしたことは決して譲らない。そういうことなら、さっさと何かつくって食べて帰ってやる。たまごかけごはんか、納豆ごはんか、そんなものでいいだろうと思いながら台所に行くと、流し台にあったのは――

富山土産の海津屋の氷見うどん(よもぎめん)のパッケージ

氷見うどんやんか! 僕がこの前、富山に行った土産に買ってきた“よもぎめん”のやつだ。おばあに食べて欲しかったのに……。

氷見うどん(よもぎめん)に乗せる具材(玉子、ハム、キュウリ、カイワレ)

冷たいうどんにぴったりな3色の具材や、いつものサラダも置いてある。体調がすぐれなくても、こんなに用意してくれていたとは……。

おばあはもう、何か食べたのだろうか。できれば少しでも腹に入れたほうがいい。目の前にはちょうど――

富山の氷見うどん(よもぎめん)の乾麺

乾麺の氷見うどんがある。しかも“よもぎ”が練り込んであって体にもよさそうだ。おばあのぶんも柔らかく茹でてあげよう。

そこで居間に向かって、
「うどん、茹でようか?」
と聞いてみても
「いらんわ」
と弱弱しい声が聞こえてきた。食いしん坊のおばあのことだから、お腹が空いていたら断らないはず。本当に食欲がないのだろう。

やっぱりさっさと食べて帰るしかない。僕は鍋をコンロにかけ、最大火力で湯を沸かし――

氷見うどん(よもぎめん)を鍋で茹でているところ

氷見うどんの束を半分投入した。そして早めに――

茹でた氷見うどん(よもぎめん)をザルに入れて冷水で洗っているところ

ザルにあけ、流水で冷やす。

ヤマエ食品 高千穂峡つゆ あごだしの瓶

つゆは冷蔵庫の中に、“高千穂峡 あごだしつゆ”という、ストレートで蜂蜜まで入っている、おいしそうなものを見つけた。

できたての氷見うどん(よもぎめん)

冷水でしめた氷見うどんは、富山で食べたときのようにツヤツヤと輝いている。あの心地いいつるっとした食感とのど越しが、口の中によみがえってきて、思わずつばを飲み込んだ。

そこに錦糸たまごとハム、キュウリ、カイワレをトッピングすると――

氷見うどん(ハム、玉子、キュウリ、カイワレをトッピングしたもの)

メニュー
・氷見うどん(海津屋 よもぎめん)
具材:ハム、錦糸たまご、きゅうり、カイワレ大根
つゆ:ヤマエ食品 高千穂峡つゆ あごだし500ml
・サラダ
生:玉ねぎの醤油漬け、ミニトマト、パプリカ、キャベツ
茹で:ブロッコリー、アスパラガス

3色氷見うどんの完成だ! そうだ、僕はお腹が空いていたんだ。そんなことを思い出したら、もう、我慢できない。よもぎめんを、まずはカイワレと一緒にがばっと箸でつまみ、つゆに浸してすすり込む。あごだしつゆの香りが鼻に抜け、強いうま味と蜂蜜の甘みを感じる。そしてやってくる、氷見うどんのつるつるの食感! 噛むと爽やかなよもぎの風味が感じられ、シャキっとしたカイワレの歯ごたえと程よい辛味もぴったり合っている。

そしてハム、錦糸たまご、きゅうり、とさまざまな組み合わせで、氷見うどんをすすり、夢中で味わっていると、向かいの席から視線を感じた。顔を上げると、おばあがじっと見つめていた。さっきの呆けたような表情ではなく、しっかりと目を見開いている。

どうやら、僕の食べっぷりに触発されて、食欲が湧いてきたみたいだ。
「うどん、茹でようか?」
再びたずねると、
「さっき、いらんていうたやろ!」
即座に断られた。でも、いつもの力強い調子が戻ってきている。
「じゃあ、何なら食べられるんや?」
「……アイスや!」
一瞬、間が開いたものの、はっきりと答えた。

僕は台所に急ぎ、冷蔵庫の冷凍室におばあがため込んでいるアイスの中から、バニラバーをつかんで戻ってきた。そして、
「ほら。これやろ!」
と差し出すと、それをおばあはひったくるように手に取り、がぶりとかじった。僕はうれしくなって、またすぐに席に着くなり氷見うどんをすすった。

明治「北海道バニラバー」を食べる祖母(おばあ)