正体はまさか、板こんにゃくを切っただけ!?こんにゃくの刺身のおいしい食べ方

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こんにゃくの刺身や焼いた牛肉、冷奴、炊き込みご飯など、祖母(おばあ)が作った晩ごはん

メニュー
・こんにゃくの刺身
・牛肉の焼いたん
・冷奴
・ポテトサラダ
・タコとキュウリとワカメの酢の物
・炊き込みごはん
油揚げ、にんじん、シメジ
・サラダ
生:ミニトマト、玉ねぎの醤油漬け、キャベツ
茹で:ブロッコリー、アスパラガス

祖母(おばあ)が夕飯に出したコンニャクの刺身

また出た! 皿の上でぷるぷる揺れる、この半透明の山は……こんにゃくの刺身! つい先日、おばあが夕飯に出し、わさび醤油で食べたやつだ。それをまたすぐに食卓に並べるということは、おばあはこんにゃくの刺身をよほど気に入ったらしい。

刺身にするくらいだから、このこんにゃく、そこらのスーパーでは売っていない、お中元か何かでもらった特別なものだろうと思っていた。そんな先入観があったからか、わさび醤油で食べたのがはじめてだったからか、いつものこんにゃくよりおいしく感じられた。

だけど今こうしてあらためて見ると、色といい形といい……ごくふつうの板こんにゃくを薄切りにしただけじゃないのか!? そうだとしたら、そもそも生で食べられるのか? この前食べてからお腹を壊したりしていないけど、立て続けに腹に入れていると体のどこかに悪影響はないだろうか?

向かいの席のおばあに、こんにゃくの正体を聞いてみようにも――

イスに座ったまま寝ている祖母(おばあ)

イスに座ったまま頭を傾け、ピクリとも動かない。僕が来るより先に食事を終え、満腹になって睡魔に襲われたらしい。せっかく気持ちよさそうに寝ているのに起こすのも悪い気がするし、起こしたところで怒られるだけだ。

80代の半ばを過ぎても、しっかり食べて、ぐっすり眠れている。そんなおばあが出す料理だから、寿命が縮まるようなこともないはず。お腹も減っていることだし、気にせず食べはじめよう!

まずは、こんにゃくの刺身(“生の板こんにゃく”と思うと、やっぱり気になる……)に箸を伸ばす。そしてひとつつまんだところで、わさび醤油が入った小皿が見当たらないことに気がついた。

なければ自分で持ってくればいい。でも前回は、「これで食え!」とばかりにあらかじめ用意してくれていた。ということは、わさび醤油が食卓にない今晩、おばあは別の食べ方を想定しているのに違いない。

他にテーブルに乗っているものといえば――

小皿に乗ったポテトサラダ

ポテトサラダや、

祖母(おばあ)が晩ごはんに出した冷奴

細かく切った冷奴。

タコとキュウリとワカメの酢の物

いつもの酢の物に、ごはんはーー

祖母(おばあ)が晩ごはんに出した炊き込みご飯

久しぶりの炊き込みごはんだ! 今晩は特に、おばあの料理に対する気合を感じるぞ。やっぱりこんにゃくの刺身は、前回と同じ食べ方じゃないはず! おばあは、わさび醤油よりも合う何かを発見したのだ。だとしたら――

祖母(おばあ)が晩ごはんに出した牛肉を焼いたもの

これしかない! 肉を焼いたやつだ! 茹でたスジ肉みたいに丸まっているけど、色からすると牛肉らしい。早速こんにゃくでこの肉を――

牛肉をコンニャクで巻いたものを箸で摘まんでいるところ

くるっと巻いて、口に入れる。牛肉の味とこんにゃくのプリッとした食感が合わさって……悪くない……だけど、何だか物足りない。肉にはうすく塩味がついている。そこに、ほぼ味のないこんにゃくが合わさったことで、うすい塩味がさらに薄まってしまっている。

ここで欲しいのは、塩じゃない。これにぴったり合う味付けは……まさに、わさび醤油! ああ、わさび醤油をつけて食べたい! 牛肉とこんにゃくという組み合わせは、おそらく正解だ。それをわさび醤油につければよかったんだ!

「わかった!」
と思わず声に出すと、
「なんやお前、おったんか」
とおばあの声がした。まだ眠そうな目をこすりながらイスから立ち上がり、よろよろと台所のほうに向かって行く。起き抜けに何をしに行くんだ。寝ぼけてトイレの場所を勘違いしているようにも見える。

ああ、そうか。僕のためにわさび醤油を持ってきてくれるんだ。おばあは料理のことにかけては、全部自分でやらないと気が済まない完璧主義なところがある。ここは僕が動いて「余計なことすな!」と怒られるより、おばあに任せていよう。

するとすぐに、おばあが居間に戻ってきた。手に持っているのは――

森永のアイス「パリパリバー」(バニラアイスにチョコがマーブル状に混ざっている)を手にしている祖母(おばあ)

棒のついたアイスクリーム! 森永の「パリパリバー」って、わさび醤油じゃないんかい! それに、寝起きによくそんなの食べられるな!

もう、自分で持ってくるしかない! 僕は立ち上がり台所に急ぐ。すると、後ろの方から、
「お前もアイス欲しいんか!」
とおばあの大声がした。
「これから、こんにゃく食べるんや!」
僕は台所からいい返した。