おばあが思わずスープも飲み干す!スペシャルな具材入り、エースコックの「わかめラーメン」

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エースコックの「わかめラーメン」を食べ終わったあとのカップ

居間の戸を開けると、おばあが両手でカップを持ち上げ、盛大な音を立てて中身をすすっていた。全て飲み干すと、
「あああ、腹いっぱいや!」
と空になったカップをテーブルに置いた。

大盛のカップ麺だ。高血圧なのに大量のスープまできれいに平らげるなんて、塩分をとりすぎている。僕なら健康を考えてスープは残すけど、おばあはあまりのおいしさに自制心を忘れてしまったらしい。このラーメンの名前は――

エースコックのわかめラーメンのパッケージ

カップにでっかく「わかめ」の文字、といえば、エースコックのわかめラーメン! おばあの家で出てきたのは初めてだ。この前おばあは、同じメーカーのワンタンメンを買ってきた。あのとき味を気に入ったのだろう。だから今日も数あるカップ麺の中から、ワンタンメンと同じくエースコックのロングセラーである、わかめラーメンを選んだのに違いない!

「エースコックが、お気に入りなんやな」
と僕が言うと、
「たまたまや!」
とキレ気味の返事。どうやら図星らしい。「好き」の対象を指摘されて怒るなんて、反応がまるっきり恋する乙女である。
おばあは怒り口調のまま
「ほら、フタ開けえ!」
と命令した。もっと冷やかしたかったけど、これ以上やると本気で怒鳴られそうなので、僕は黙って言われた通りにする。

エースコックの「わかめラーメン」の袋入り具材(かやく)

カップの中の袋入りスープや、かやくを取り出したところで、

エースコックの「わかめラーメン」にお湯を注いでいるところ

灯油ストーブの上で温めていたやかんから、おばあが湯をそそいでくれた。

お湯を入れたエースコックの「わかめラーメン」

内側の線ぎりぎりまでたっぷりそそぐと、おばあは灯油ストーブの上にやかんを戻し、そのまま席につく……のかと思いきや、台所に向かって行った。冷蔵庫を開ける音がする。

一足先に食事を終えたおばあは、冷蔵庫から食後のデザートでも持ってくるのか。僕のぶんも買ってくれていたらうれしい。冷蔵庫に入れる甘いものといえば、ワッフルかシュークリーム、それとも、おばあの好物チョコレートケーキか!?

デザートを楽しみにしつつ、ラーメンができるのを待っていると、おばあが戻ってきた。手にしていたのはシュークリームでも、ケーキでもなく……たまごだと!
すり足で素早く近づいてきたおばあは、
「ほら、フタ開けえ」
とまた、さっきと同じ指示を出した。

玉子を割っているところ

言われたとおりにすると、おばあはテーブルの端にたまごをぶつけて殻を割り、

エースコックの「わかめラーメン」に生玉子を入れているところ

たっぷりのワカメに覆われたラーメンに、全卵を投入。

生玉子入れたエースコックの「わかめラーメン」

お湯を入れてまだ2分しか経っていないので、再びフタを閉じ、待つこと1分――

生卵入り「わかめラーメン」など、祖母(おばあ)が作った晩ごはん

メニュー
・月見わかめラーメン
エースコックの「わかめラーメン」(たまご入り)
・エビの天ぷら(惣菜)
・オクラのかつお節和え
・焼きナス
・サラダ
生:玉ねぎの醤油漬け、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草

月見わかめラーメンができあがった! カップ麺に生たまごを入れたことがなかったので、ちょっと面食らってしまったけど、見た目はかなり食欲をそそる。考えてみれば、たまごくらい、チキンラーメンとか袋入りのラーメンをつくったらよく入れるし、わかめラーメンにも合わないわけがない。

さすがおばあ、基本は頑固者だけど、おいしいもののためなら僕より発想が柔軟だ。それに、たまごだけじゃない。わかめラーメンに合いそうなおかずが、もう一品ある。それは――

惣菜のエビの天ぷら

小皿に盛られたエビ天だ! もこもこした衣といい、揚げてから時間が経った感じといい、スーパーの惣菜だろう。エビ天なんて滅多に買ってこないのに、意味ありげにわかめラーメンの隣に並んでいる。さらに小ぶりで、カールした形。これはもう、ラーメンの具材にするためにここに存在しているとしか思えない。一気にどさっと、ワカメの上に乗せてみると――

生卵入りのエースコックの「わかめラーメン」にエビの天ぷらを乗せたもの

さらにおいしそう! なんだか和風で、うどん屋のスペシャルメニューみたいな具だ。たまらず澄んだスープを一口すする。ワカメとゴマの風味がしっかりあって、うま味も強い。大量投入したエビ天から溶け出した揚げ油のジャンクな感じもいい。

半分ほど食べたところで、半熟というより、ほとんど生のたまごを箸で割る。そのたまごの半分を口に入れ、えび天や麺やワカメをすすると…もう、最高! 飲み込むのがもったいないような至福の時間がおとずれる。時間をかけてじっくり味わい、残りのたまごをスープに溶かして、また食べ進める。

そして気がつくと――

エースコックの「わかめラーメン」の空のカップ

スープまできれいに飲み干していた。塩分がどうだとか、はじめは気にしていたけど、これはたしかに残すことなんて不可能だ。
「うまかったな」
僕は思わずつぶやいた。するとおばあが席を立ちながら、
「そうやろ」
と誇らしげに言い残し、台所のほうに歩いて行った。

今度こそ、デザートか! と期待して待っていると、おばあが戻ってきた。手には包丁と皿を持ち、柿が乗っていた。ケーキよりずいぶん健康的だなと思いながら、僕はおばあが皮をむくのをじっと待った。

祖母(おばあ)が柿の皮をむいているところ