おばあ(80代)も、孫(30代)も大好物!オリジナルブレンドの鶏の唐揚げ


おばあ(80代)も、孫(30代)も大好物!オリジナルブレンドの鶏の唐揚げ

「やった、鶏の唐揚げや!」
と思わず叫んで飛び跳ねた。お腹を空かせた夕飯どき、食卓で山盛りになった鶏の唐揚げを目の当たりにすると、小学生のころと同じ反応をせずにはいられない。

「ホコリ立つからじっとせい! 子どもちゃうねんから!」
と声を荒げたおばあも人のことを怒る資格はない。すでに口の中には唐揚げが詰まっていて、フガフガいっている。僕はいつもの夕飯の時間きっかりにやってきたのに、おばあは待ちきれなかったのだ。この様子なら調理中も、揚がったそばからぱくぱくつまみ食いしていたのだろう。まったく、子どもじゃないんだから。でもその気持ち、すごくわかるよ!

僕も食卓に直行し、席に着きながら指でつまんで一口で頬張る。

唐揚げやナスの煮物など、祖母(おばあ)が作った晩ごはんのメニュー

メニュー
・鶏の唐揚げ(衣の粉はおばあのブレンド)
・ナスの炊いたん
・オクラのかつお節和え
・豆の甘露煮
・サラダ
生:玉ねぎ、トマト、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草
・ごはん

パリっとしたうすい衣の下から、やわらかな鶏肉が現れ、じゅわっと肉汁がほとばしる。熱い! けどうまい! 息を吐きながら味わい、ごはんをかき込み、また次を口に運ぶ。一度食べはじめるともう止まらない。おばあも次から次へと箸を伸ばす。大皿の山がどんどん削られていく。

味付けも揚げ加減も申し分ない。ただ、ちょっと気になることがある。噛んでいるとたまにカリっと小さな粒が砕けるのだ。そういえばこの食感、はじめてじゃない。

祖母(おがあ)が作った唐揚げ

唐揚げをよく見ると、衣のところどころに小さな粒が混じっている。そうか。このつぶつぶには見覚えがある。おばあが最近、よく使っている「揚げずにからあげ」だ。鶏肉にまぶせば油がなくても焼くだけで唐揚げになる便利な粉である。でき上がった唐揚げは、表面がカリカリの粒に覆われる。ところが今晩のものは一見、ふつうの唐揚げと変わらないほど粒が少ない。ということはつまり……おばあは唐揚げ粉をブレンドしている!

なぜそんなことをする必要があるのか。きっと〝もっとおいしいものが食べたい”という、おばあの飽くなき探求心がそうさせるのだ。月に1回はつくるカレーだって、毎回ブレンドしているルウが違うし、隠し味も大量のバターだったりニンニクだったりさまざまだ。今晩の唐揚げは、衣のさらなるおいしさを追求したのだろう。たしかに、ときどき歯の間で弾けるカリッと固い食感が心地いい。歯ごたえに変化が生まれて、飽きずにいくらでも食べられそうだ。

ナスの炊いたん

ナスの煮物も気合を入れてつくったようで、皮はいつになく照り輝いている。ひと口かじると芯までしみ込んだ甘めの煮汁が染み出してきて、唐揚げに負けず劣らずごはんが欲しくなる。ハチミツか何か新しい味付けを加えたのかもしれない。

おばあは人のいうことには耳を貸さない頑固者だけど、こと食に関しては柔軟で、子どものような探求心を失っていない。何かに挑戦しつづける姿勢は僕も見習いたい。

キューピーアマニ油マヨネーズ

テーブルにはおばあが先日買ってきた、ちょっと贅沢な「アマニ油マヨネーズ」が置いてある。鶏の唐揚げにマヨネーズなんて、禁断の組み合わせだ。相性は抜群だけどカロリーもかなりアップしてしまう。僕は最近太り気味なので、ごはんのお代わりはしていないし、マヨネーズを使うのも最小限にとどめている。

このマヨネーズはおそらく、おばあからの無言のメッセージだ。
〝唐揚げの衣も、粉を混ぜておいしくしたんや。今晩くらい太ることなんて気にせんと、好きなように食べたらええ”
とでもいいたいのだろう。そういうことなら――おばあよ、これを見ろ!

ごはんに唐揚げを乗せてアマニ油マヨネーズをかけた唐揚げ丼

「唐揚げ丼や!」
そういいながら茶碗を差し出すと、おばあは一目見て、
「何やそれは!」
吐き捨てるようにいった。僕の唐揚げを最大限おいしく食べる方法を見て、おばあは何とも思わないのか!
「ごはんに唐揚げ乗せて、マヨネーズかけたんやで」
僕は平静を装っていった。するとおばあは、
「そんなん見たらわかるわ! マヨネーズはサラダにかけえや!」
と怒鳴る。なんだって! マヨネーズは唐揚げにかけるために用意していたんじゃないのか!
唐揚げの新たなおいしさを追及しているおばあなら、理解してくれると思ったのに……。
「おばあだって、唐揚げをおいしくするのに粉をブレンドしてるやんか!」
僕はもう冷静ではいられなかった。するとおばあは、さらに大きな声でいった。
「唐揚げ粉は、余ってるやつを混ぜただけや!」
えっ? そうだったのか……僕はずっと勘違いしていたのか。いくつになっても失われないおばあの底なしの探求心は、ただの妄想だったんだ。

僕は黙ったまま、ごはんに乗った唐揚げをかじった……うまい! やっぱりマヨネーズと唐揚げのコンビネーションは最高! 衣の食感もいい! そしてごはんとの相性もぴったりだ! このおいしさは、妄想なんかじゃなく、現実だ! おばあが何を考えてこの唐揚げをつくったのかなんて、もうどうでもいい!
「やっぱり、鶏の唐揚げはうまいわ!」
僕は小学生のように思ったことをただ叫んだ。

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