フライパンひとつで簡単にできて、野菜も肉も麺まで入って、栄養バランスも食べごたえもばっちり!おまけにソースの深い味わいは、最後まで飽きがこなくて、これさえあれば大満足だ!
そんな作っても食べても完璧な二刀流。まるで料理界の大谷翔平のような、安定感抜群の“テッパン”メニューと言えば……そう、焼きそば!
だけど料理はおばあに頼りっぱなしだった僕は、恥ずかしながら、自分ではインスタント以外の焼きそばを作ったことがない。
そんなことを今になって思った理由は、
先日見た『孤独のグルメseason10』第6話に、焼きそばが登場したから。テレビ画面から湯気と香りが漂ってくる錯覚におちいるほど食べたくなって、夜中の“飯テロ”ドラマを録画せずに見た自分を心底うらんだ。
焼きそばなら、濃い味が好きなおばあもきっと喜んでくれるはず。それに野菜をたっぷり入れれば健康的だ。
というわけで今回、おばあに作った『まごめし』は、もちろん焼きそば。
麺は粉末ソースが付いている『マルちゃん焼きそば』を選んだ。
―具材は―
・キャベツ
・ニンジン
・もやし
・肉は『孤独のグルメ』ではラム肉だったけど、
今回はふつうの豚肉
どの具材もたっぷり……というより加減がわからず、なんだか入れすぎてしまった。
麺は袋に書いてあるとおり、電子レンジで30秒あたため、具材に乗せて水をかけて蒸し焼きに。
すると――
麺がほぐれて具材とよく混ざる。とはいえ、水気のあるキャベツが多くて味が薄くなりそう……。
だから味付けは――
小袋に入った粉末ソースだけじゃ物足りないかも。いっそ、塩コショウとか粉末のダシでも足してみようか……なんて思ったけど、余計なことをすると失敗しそうなので、迷ったすえ、味付けは袋の表示どおり粉末ソースだけにした。
本当にこれでよかったのか……。
それに実は、焼きそばひとつで「大満足」と自分で言っておきながら、別のおかずも用意した。
もやしとキャベツの玉子とじや、小松菜の温サラダ、
さらにインスタントの味噌汁も。
おかずをいくつも用意したのは、
はじめて作る焼きそばの出来に自信がないから。
「味がうすい」とか「キャベツが多すぎる」とか、味にうるさいおばあに辛口の評価を下されそう……。
ところがおばあに差し出すと
僕の心配をよそに、
両手のスプーンで大量にすくってバクバクと
麺を口で引きちぎるようにすごい勢いで食べすすむ!
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しかも点数は、
「100点」
って、正直めっちゃ安心したで、おばあ!
おばあのお墨付きをもらって、僕の少ない料理のレパートリーに、大谷翔平のような投打そろった強力な助っ人が加わった。
「これから、いろんな具材の焼きそば作ったるで」
僕がそう宣言すると、
「ふつうのでええわ」
と顔をしかめられた。
だけど、僕はもう料理にオリジナリティを発揮せずにはいられない。なんたって、他では見たことのない唯一無二の料理やおにぎりを作ってきたおばあの孫だから!
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