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加賀百万石が誇る簡単!絶品!鍋の素!とり野菜みそピリ辛鍋…のはずが、孫がおばあに作ってまさかの失敗!?

石川県を筆頭に北陸の家庭で、鍋! といえばほぼ間違いなくこの味が出てくる。その名も、まつやの『とり野菜みそ』!

味付けはこれさえあれば絶品鍋ができるとあって、最近は他の県にもじわじわと勢力を拡大。加賀百万石がほこる鍋の素を、大阪のダイエーでも見かけるようになった。

だけどまだ近所で見たことがない『ピリ辛とり野菜みそ』。それを石川県民の知り合いが送ってくれた。

おばあが台所に立てなくなり、一向に慣れない料理に悪戦苦闘中の僕にとって、簡単に確実においしい鍋ができるこの『とり野菜みそ』は天の助け! まるで地獄の犍陀多のもとに降りてきた蜘蛛の糸。気温もぐっと寒くなり、おばあの体調も気になる今、ピリ辛鍋はもってこいだ! 

さっそく作って、おばあに出そう……と思ったけど、白菜とかネギとかしらたきとか鍋の具材らしいものがない。今日はもう買い物に行く時間もないから、鍋は数日後か……。

そうあきらめて、ひとまず『とり野菜みそ』だけ持って、おばあの家に行くと、
「鍋やったら、家にあるもん入れたらええんや!」
とおばあにすごい剣幕で言われた。

たしかにおばあこれまで、定番の具材のときもあったけど、ギョーザや玉子焼きに牡蠣カレー、さらにはタコさんウィンナーまで入れて、既成概念をくつがえす独創的な鍋料理をこしらえてくれた。

大仏顔のおばあが放ったひとことは、料理の迷宮でさまよう僕につかわした蜘蛛の糸! 

つかんだからにはプツンと切れないよう、僕も先入観にとらわれず「あるもん」だけで、おいしい鍋を作ったるで!

そう決意して入れた具材は--
ニンジン
キャベツ
鶏肉
レンコン
ごぼう
さつまいも
こんにゃく

とにかく土鍋に「あるもん」をいろいろ放りこんだ。そしてできあがったのが――
まつや『とり野菜みそ』を土鍋に入れて作った鍋
……これ。決意した通り“ふつうの鍋”らしくない見た目に仕上がったけど、シャバシャバなキャベツ味噌汁みたいになってしまった。

白菜の代わりに入れたキャベツから思った以上に水が出て、小さく縮んでしまった。それに二人だから食べきれないと具材の量を遠慮したせいで、何だか貧相な感じに……。

過去におばあが作ってくれたとり野菜みそ鍋は、あんなに見た目も豪華でおいしそうだったのに! せめて自分で書いた過去のエピソードを見返しておけばこんなことにはならなかった。

今から具材を追加して、腹をすかせたおばあを待たせるわけにもいかないし……。

仕方がないので、そのままフタをして台所から食卓に持っていくと、おばあは目を輝かせ、見るからに久々の鍋を期待している。

そのぶん、中身を見たらがっかりするかも。そう思いながらフタを取ると、
まつやとり野菜みそで作った土鍋をのぞき込む祖母(おばあ)
おばあはさらに身を乗り出して、文句を言う……どころか、
とり野菜みそで作った鍋を見て笑顔の祖母(おばあ)
めっちゃうれしそうな顔やんか、おばあ! 鍋から立ち上る、えも言われぬ食欲をそそる香りが笑顔にしているみたいだ。

そう、見た目はともかく、味は『とり野菜みそ』! しかもピリ辛。これがおいしくないわけがない!

気を取り直して――
まつや『とり野菜みそ』で作った鍋の具を取り分けた皿の中身
具を皿に取り分けるとおばあは、
両手に持った介護用スプーンで食事をする祖母の手
待ってました! とばかりに、両手のスプーンで食べ進む。さらに味の感想も、

 
 
 
 
 
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「おいしい」「100点」
いただきました!

さらにバクバクと深皿に2杯も食べて、スープをすすって、
孫が祖母に作った丸いおにぎりが二個皿に乗っている。
おにぎりも完食してくれた。体も温まり栄養補給もばっちり! これでおばあは、しばらく元気に過ごしてくれるはず!

翌日にはシメの雑炊もたっぷり食べてくれるのに違いない。そう思うとやっと一息ついて、僕も食べはじめることができた。

さすが加賀百万石がほこる鍋の素! 何をどれだけ入れても、ただ味噌で味付けするのとは違う、濃いめだけどまろやかな絶品鍋に仕上がっている。

それにおばあがいたからわざわざ土鍋を出してきて、鍋を作ったのだ。僕ひとりでは、この味を堪能するのがいつになっていたかわからない。

『ピリ辛とり野菜みそ』は料理の迷宮でさまよう僕を、まさに天に引き上げてくれた蜘蛛の糸だった。

とはいえ次は、もっと豪華でおいしい鍋にするからな、おばあ!


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