食べてもないのに相性を見抜く。おばあの山かけキムチ鍋うどん(3回目のキムチ鍋2日め)


食べてもないのに相性を見抜く。おばあの山かけキムチ鍋うどん(3回目のキムチ鍋2日め)

メニュー
・キムチ鍋2日め(今年3回め)
うどん(乾麺)、豚肉、春菊、白菜、もやし、ミツカン「〆まで美味しいキムチ鍋つゆ ストレート」
・とろろ
山いも、卵黄
・野菜
生:キャベツ、きゅうり 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草
・ごはん

キムチ鍋が食卓に並ぶと、おばあは僕と競い合うように山盛りの取り皿を何度も空にする。いつもは僕の半分くらいの量しか食べないのに、好物のキムチ鍋を前にすると眠っていた食欲が呼び覚まされるらしい。2人で土鍋いっぱいの具材をほとんど平らげてしまう。

すると次の日もキムチ鍋が出る。あるときは具材を追加して前日と同じスタイルで、別のときは残った汁を利用し2人に1杯ずつのうどんをつくった。今回は昨日の鍋に、大量のうどんが投入されている。うねって盛り上がるうどんが土鍋の大部分を覆い、どうやら底の方までぎっしり詰まっている様子。おばあと2人で食べ切れるだろうか。

取り皿にうどんをよそう。するとうどんにからまった豚肉が、鍋の底から次々と引き上げられてくる。うどんだけではなく、土鍋には豚肉もたっぷりと追加されていたのだ。

うどんと豚肉、そして少しの野菜で取り皿が満たされた。さあ、食べよう。と思ったけど、卵黄入りのとろろが目についた。なぜうどん入りのキムチ鍋の隣に、とろろが並んでいるのか。これはきっと一緒に食べるべきだというおばあからの無言のメッセージだ。過去にもカレーや餃子に、一緒に出てきた大根おろしをのせたところ大成功だった。定番の料理の新たなおいしさを発見させられた。

それにうどんは、とろろをのせた「山かけ」が、うどん屋のメニューにあるくらいだから合わないわけがない。僕は迷わず、取り皿の豚肉とうどんの上にとろろをかけた。

とろろが冷たいので、鍋の具材が冷めてしまうことが気になったもの、味の相性はぴったりだ。キムチの辛さと塩辛さを濃厚なとろろがほどよく包み込み、優しい味がする。かと思えば、とろろの奥からまた辛さが現れる。

うどんにくらべて少ないとろろを節約しながら、僕は取り皿に何杯もおかわりした。気がつけば、あれほど大量にあったうどんが、土鍋からすっかり消えていた。

おばあも僕と同じくらいのペースで食べていた。だけどおばあは、とろろを食べていない。ねばねばの食感が苦手なおばあは、納豆やとろろが食べられないのだ。それなのに、キムチ鍋うどんと、とろろの相性をどうやって見抜いたのだろうか。

食事を終え、満たされた表情でテレビを見ていたおばあに聞くと、
「それだけ好きや、ちゅうことや!」
とのこと。自分が嫌いな料理との相性も見抜けるほど、キムチ鍋が好きということか。長く生きていると好き嫌いをこえた境地が見えてくるのかもしれない。

おばあはイスに座ったまま寝息を立てはじめた。その姿は奈良の大仏を思い起こさせる。まだしばらくは仏になってしまわないことを、おばあに向かって僕は祈った。

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