「たまご醤油たれ」納豆に、生たまごを追加すると…こうなる!

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豚トロと大根の煮物や、「たまご醤油たれ」納豆と生玉子など、祖母(おばあ)の家の晩ごはん

メニュー
・豚トロと大根の炊いたん
・納豆 ミツカン(金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ)
・生たまご
・ほうれん草のおひたし
・コールスローサラダ(惣菜)
・サラダ
生:玉ねぎの醤油漬け、ミニトマト、キャベツ
茹で:ブロッコリー、アスパラガス
・ごはん

こ、これは……一体どういうことだ、おばあ!?

豚トロと大根の煮物

豚トロと大根という、ありそうでなかった煮物も気になるし、祖母(おばあ)が夕飯に出したコールスローサラダ

コールスローなんてしゃれたもの、食卓に並んだのは初めてだ。だけど何より、ひときわ目を引くのは、この――

皿の上の生たまご

生たまご!? 今日のメニューで、生たまごをどう使うというんだ!? 考えられるのは、やっぱり――

金のつぶ たれたっぷり!「たまご醤油たれ」納豆

納豆に混ぜるのか!? だけどこの納豆、“たまご醤油たれ”だぞ! 「タレだけで、たまごかけ納豆ごはん!」とテレビCMでやっているやつだ。僕も何度か食べたことがあって、本当にこのタレを混ぜるだけで生たまごの濃厚な味がする。そこへさらに生たまごを加えろと……?

“たまご醤油たれ”は、たまごがなくても手軽にその味わいが楽しめるからいいんじゃないのか。本物のたまごを入れてしまうなら、せっかくのタレの良さを消してしまうことになる。値段もちょっと高いし、たまごを加えるならお買得品の納豆でもよかったはずだ。

パッケージには“たまご醤油たれ””の文字がでかでかと載っている。老眼のおばあでも、読めなかったというのは考えづらい。その商品名を目にして、「たまご(を後から入れて食べる)醤油たれ」という意味だとでも思ったのだろうか。いや、「たまご(の味がする)醤油たれ」だろ普通……。それに僕以上にテレビ好きのおばあは、何度となく「タレだけでーー」というテレビCMを見聞きして、たまごがいらないことを知っているはず。どちらにしろ、目の前の生たまごは――

金のつぶ たれたっぷり!「たまご醤油たれ」納豆と生玉子

納豆と組み合わせる以外、使い道は思いつかない。

これはもう、直接聞いてみるしかない。食べ物のことでおばあに質問をすると、文句があると勘違いしてヘソを曲げて怒り出すことがある。しかもおばあは先に食事を終え、テレビに映る羽生結弦に見入っている。邪魔をしたとみなされ、怒鳴られる危険がある。

だけど僕だって腹が減っているし、早く好物の納豆ごはんが食べたいのだ。あまり気はすすまないけど仕方ない。
「この生たまご、納豆に入れたらええんやろ?」
できるだけソフトな感じで聞いてみた。すると即座に、
「それ以外、どないせえっちゅうねん!!」
と想像以上の怒声が飛んできた。

趣味のフィギュアスケート鑑賞を邪魔され、料理の質問をされたことに怒るのはわかる。それにしても、なんと力のこもったいい切りようだ。“たまご醤油たれ”だからこそ、あえて生たまごを入れるのだ、という強い意志を感じる。

おばあ自身は、納豆のにおいも見た目も「気持ち悪い」と受け付けない。だけど死んだおじいが納豆好きで、欠かさず生たまごを入れていたので、納豆とたまごの相性がいいことは知っている。

“たまご醤油たれ”にさらにたまごを合わせることで、より強いたまごの味が納豆と一緒に堪能できる! おそらくおばあは、そう思ったのだろう。納豆を口にしないにもかかわらず、持ち前のおいしいもの好きの直感と調理経験で、単なる好き嫌いをこえ、僕に新たなる味の高みを見せようとしてくれている! そうだろ、おばあ!? 

僕は納豆の表面のフィルムをはぎ取り、タレの小袋を引き裂き、中身を納豆の上にぶちまけた。そして勢いよく――

ミツカン 金のつぶ たれたっぷり!「たまご醤油たれ」納豆を混ぜたもの

泡立つほどかき混ぜる。そこへ――

皿に乗った生玉子

生たまごを入れると、あふれてしまいそうだ。今日は卵黄だけではなく、せっかく殻のまま用意してくれているので全卵を使おう。そうなるとーー

ごはんに生たまごを乗せたところ

こうだ! そしてこれをかき混ぜ――

ごはんに生玉子を入れて混ぜた「たまごかけごはん」

たまごかけごはんをつくったところに――

たまごかけごはんに、納豆を乗せたところ

“たまご醤油たれ納豆”を投入! 香りからして、濃厚なたまごの風味が立ち上ってくる。さらにこれを――

たまごかけごはんに納豆を混ぜたものを、箸で摘まんで食べようとしているところ

かき混ぜてから口に運ぶ。Lサイズのたまごの量が多く「たれたっぷり!」なので、箸ではなかなかつかめない。そこで茶碗を持って、ずずっとかき込むと……これは!?

「めっちゃたまごや!」
と声に出さずにはいられなかった。たまごの味も食感も強くて、何だか贅沢な感じがする。それでいて、もともとクセのある納豆の味もねばりもしっかり残っている。おばあの直感は正しかったのだ!
「これ、おいしい――」
ついまた発した僕の声を、
「うるさいわ! ええから、だまっとれ!」
おばあの怒鳴り声がさえぎった。

テレビでは、羽生結弦が滑走をはじめていた。僕は邪魔しないよう、静かに“たまごかけアンドたれ納豆ごはん”をすすった。