「いくらなんでも、栄養が偏りすぎやろ!」2日目のキムチ鍋と、たまごづくしの筋力強化メニュー


「いくらなんでも、栄養が偏りすぎやろ!」2日目のキムチ鍋と、たまごづくしの筋力強化メニュー

昨日おばあがつくったキムチ鍋には、キムチが入っていなかった。ボトルに入ったエバラ「キムチ鍋の素」で味付けしているから、しっかりとキムチの味はする。だけどそこにプラスして白菜キムチを入れるのが、これまでのおばあ流のつくり方だった。味付けも具材も塩分の多いキムチだから当然、味は濃かった。

キムチを入れなかった理由は、健康を意識してのことだろう。おばあはかなりの高血圧なので、血圧を上げる塩分は控えなければいけない。僕もおばあと同じものを食べ続けて、毎食後に降圧剤が欠かせなくなるのは勘弁してほしい。だから僕は、味付けはうすめで野菜が多めのヘルシーな料理をつくってくれるよう、何度もおばあにいい続けていた。

頑固なおばあは、孫の僕に忠告されるのが気に入らないようで「どうせみんな死ぬんや! 好きなもん食って死ぬ!」と、明日にでも地球が滅びるかのようなことをいって開き直る。味付けを注意するたびに怒声を浴びせられ、僕は半分、あきらめかけていた。

だけどおばあはついに、自分自身と僕の健康を気づかうようになってくれた! おばあは口ではそういわないけど、キムチの入っていないキムチ鍋がなによりの証拠だ。

祖母(おばあ)がつくった2日目のキムチ鍋

減塩を意識してくれたとはいえ、鍋の具材はいつも通り、2人で食べきれる量ではなく、今晩の食卓にも温めなおしたキムチ鍋がのったのだった。

フタを開けると、大きな土鍋には2日目とは思えないほど具材が詰まっていた。昨日食べたぶんの具材がまた追加されている。今日も食べきれなさそうだ。明日も鍋の残りが出て、またそこに具材が追加されるなら、キムチ鍋の無限ループに突入してしまう。いくらおばあの好物とはいえ、台所で常温保存する鍋が、安心して口にできるのは2日目までだろう。

次の日のメニューも気になるけど、お腹が減っているので、ひとまず具材を小皿に取り分ける。底のほうには、2日煮込んで赤く色づいた豚肉が残っていた。一切れ口に入れると、豚肉は思ったより固くなく、キムチの辛さが効いていてなかなかいける。

2日目のキムチ鍋や玉子焼き明太子など、おばあがつくった晩ごはんのメニュー

メニュー
・キムチ鍋(2日目)
豚肉、春菊、もやし、えのき、シメジ、エバラ「キムチ鍋の素」
・たまご焼き
・納豆(卵黄のせ)
・焼き明太子
・サラダ
生:トマト、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草
・ごはん

それにしても、今日のおかずは食材が偏りすぎていないか。

おばあがつくった玉子3個使用した玉子焼き

たまご3個を使って塩だけで固めに焼いた、お馴染みのおばあのたまご焼き。

卵黄入りの納豆

納豆には卵黄がのっている。僕はこの一食で、たまごの黄身を4つぶん腹に納めることになる。たまごは一日に何個食べてもいいとテレビの情報番組で聞いたことがあるけど、これはさすがに食べすぎじゃないのか。

焼き明太子を炊きたてのごはんに載せているところ

しかもごはんの上には、焼いた明太子までのっている。鶏のたまご4つ食べて、魚のたまごまで一食で口にするというのは、コレステロールとか何かの栄養素が、基準値をオーバーしてしまいそうだ。おばあがつくる料理は、健康志向になったんじゃないのか。

「たまごばっかり、多すぎへんか?」
僕がたまらず聞くと
「肉やたまごは、ようけ食べたらええと、テレビでいうとったやろ!」
おばあはテーブルの向かい側から声を張り上げた。その話はたしか、健康な高齢者が肉や魚、たまごや豆など、タンパク質が多い食材を積極的にとっているというものだった。それはそうかもしれないけど、限度というものがあるよ。たまごも納豆も豚肉も、タンパク質ばっかりじゃないか。

おばあの席に目をやると、やけに品数が少ないのだった。そういえばおばあは、納豆と魚卵が苦手だった。たまご焼きも僕のものより一回り小さい。高齢者であるおばあこそ、弱りがちな筋肉の材料になるタンパク質を多くとるべきなのに……。

だけど見聞きした健康情報を、すぐに料理に取り入れているのはいいことだ。ここで僕が口うるさく注意して、せっかく高まってきたおばあの健康への意識に水を差したくない。僕は鍋を指さし、
「肉も野菜も、しっかり食べや」
というのが精いっぱいだった。すると、
「そんなんわかっとるわ! お前こそ残さず食べえや!」
と威勢のいい声が返ってきた。

そうだ、今日、鍋の中身を平らげてしまわなければ、たぶん明日、3日目のキムチ鍋が食卓に並ぶ。栄養も大事だけど、お腹を壊してしまうのも怖い。3日目といえばカレーの前例もあるし、おばあは平気で明日もキムチ鍋を出してきそうだ。僕は鍋の具材をよそった小皿をつかみ、口いっぱいにかき込んだ。

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