牛肉のうま味がたっぷり溶け込んだ、すき焼き2日目!極上のつゆにうどん投入


牛肉のうま味がたっぷり溶け込んだ、すき焼き2日目!極上のつゆにうどん投入

おばあは食卓で、昨日のすき焼きの残りをつついていた。大きなフライパンの中央には、具材がなくなったスペースがぽっかりと空いている。そこにたまった飴色のつゆには、国産牛の脂がたっぷりと浮かんで、黄昏どきの海のようにきらきらと黄金色に輝いている。原型をとどめていない具材よりも、そのつゆを、ごはんにぶっかけてかき込みたい。仕事が長引いて、いつもの時間に遅れてやってきた僕はもう、空腹でたまらない。

おばあは居間の入口に立つ僕に目を向けると箸を置き、フライパンの取っ手をつかんで台所に向かった。ずっと無言である。夕飯の時間に連絡せずに遅れると、おばあは機嫌を損ねて話してくれなくなる。だけど僕の腹が減っていることは、ちゃんと理解してくれている。自分は腹を立てていても、僕の腹を満たすことが課せられた義務であるかのように、おばあは仏頂面のまま台所で手を動かす。

前日のすき焼きの残りに、冷凍うどんを投入して温めているところ

おばあはフライパンをコンロにかけると、四角く固まった一玉のうどんを投入。冷凍のうどんを流し台に置いて、自然解凍させていたのだ。さすがおばあ、すき焼きを食べたあとには、うどんが合う。特に今回は、国産牛肉が山盛り入っていた。その脂や肉汁が溶け出したつゆに絡んだうどんの味は、想像するだけで、口の中が唾の洪水となる。

前日のすき焼きの残りに、冷凍うどんを投入し、かき混ぜているところ

菜箸でうどんをほぐして、ひと煮立ち。うどんがつゆを吸って、うっすらと色づく。するとおばあは火を止め、フライパンの柄をつかんで、テーブルに向かった。ずっと無言である。だけど僕がうどんは固めが好きだというのを、ちゃんとわかって、煮過ぎないようにしてくれている。おばあの後ろについて、僕は食卓についた。

うどん入りすき焼きなど、おばあが作った晩ごはんのメニュー

メニュー
・牛肉の炊いたん~すき焼き風~2日目
うどん、牛肉、白菜、糸こんにゃく、もやし、しめじ
・酢の物
タコ、きゅうり
・白菜キムチ
・サラダ
生:トマト、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草
・ごはん

脂が多い国産牛肉は、細かく崩れてしまっているけど、今日の主役はうどんだ。そして牛肉のおいしさが溶け込んだつゆが主役を活かすのだ。見ているだけでは我慢できない。僕は席に着くなり箸をつかみ、うどんがつゆを飛び散らすのもかまわず小皿に取り分けた。

すき焼きに入れたうどんを、小皿によそったところ

取り皿によそったうどんは、牛肉味のつゆをまとい、冷凍うどん特有の張りと、牛肉の脂で艶やかに黄金の輝きを放つ。そして、その隣にはごはんまである。おばあがよそって茶碗を持ってきてくれたのだった。そのときも、ずっと無言である。だけど、僕がこのうどんと一緒に、ごはんも食べたいということを、ちゃんとわかってくれていたのだった。

とはいえ僕は最近、運動不足と食べ過ぎで太り気味だ。だから太りやすい炭水化物を必要以上に口にすることを、おばあは禁じていたはずだった。

うどん入りすき焼きと一緒に、おばあが出した少なめのごはん

茶碗の中には、底が見えそうなくらいの量しかごはんが入っていなかった。
「食べすぎは、あかんからな」
さっきまで黙っていたおばあが、目も向けずにぼそりといった。おばあは機嫌が悪くても、僕の健康のことを気にしてくれているのだった。
「わかってるで! 俺はダイエット中や!」
と勢いよく返事をして、僕はうどんをすすった。

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