手羽先は焼いてもいいけど、煮ても絶品! そんなことに気づいたのは、お雑煮を作った前回、鶏もも肉がなくて、代わりに冷凍庫にあった手羽先を入れたから。
だけど思い返すと、僕の祖母、おばあはすでにやっていた。冬の定番、おでんに――
手羽先を入れていた。
さすがおばあ、僕がいまさら料理をして気がつくことなんて、とっくの昔にやっていた。
とはいえ、僕は直感した。そのおばあが実践済みの技と知識をアレンジすれば、新たな絶品料理ができるということを!
そこで買ってきたのが――
こんな食材。メニューはそう、おばあも寒くなると作ってくれた僕の好物――
クリームシチュー。今回はこの、
『コクの贅沢』クリームシチューに、
手羽先を入れるのだ!
他の具材は――
クリームシチューに合いそうなセロリやホウレンソウ、
煮込むとおいしいかぼちゃなど。
料理上手を気取って余裕をかましたら、大変なことに!
作り方は、これまでに僕もさまざまな“炊いたん”料理を作ってきたから、なんとなくわかる。
でもまあ、ルウの分量くらいは、念のため確認しておこう……なんて、余裕をかまして、裏面を見たら――
しまった! 仕上げに入れる牛乳がなかった! そのまま飲むとお腹を壊すことがあるから、乳製品といえば――
ヨーグルトしか常備していない。ここはもう、牛乳なしで作るか、ヨーグルトを入れてみるかだ。
牛乳なしだと、しゃばしゃばで物足りない味になりそう。かといってヨーグルトは、シチューが酸っぱくなってしまうかも……。
ここは作りながら考えるとして……ひとまず、調理開始!
手羽先入りクリームシチューを作る(4食分)
まずは具材の根菜類ー―
ニンジン、玉ねぎ、カボチャを炒める。さらにメインの具材、
手羽先も加える。
ここで、肉の割合をもっと増やしたくて、数日前に買っていた鶏むね肉も急きょ追加。
それからフタをしてしばらく火を通してから、水を700mlくらい加え――
長ネギやセロリの茎の部分、キノコ類、さらには沖縄産生もずくも入れてしばらく煮る。
そして――
セロリの葉の部分やホウレンソウを入れ、しんなりするまで煮たら、
シチューのルウを投入! それが溶け切って――
あとは牛乳……がないんだった!
味見してみると、悪くないけど、やっぱりちょっと物足りない気が……。それにクリームシチューらしからぬしゃばしゃば具合。
これはもう、思い切って――
ヨーグルトを入れてしまった。軽く200グラム以上は入れたけど……きっと大丈夫!
おばあも数々の“ちょいアレンジ”料理を生み出し、その見た目とおいしさで、僕をおどろかせてくれた。
きっとヨーグルトシチューも、うまくいくはず!
そう願いながら――
ぐつぐつ煮る! すると、とろみが出て、色もいい感じのクリーム色に!
これを盛りつけて、ごはんと一緒に食卓に並べたら――
できあがり!
メニュー
・手羽先入りヨーグルトシチュー
手羽先、鶏むね肉、ヨーグルト、玉ねぎ、生もずく、かぼちゃ、ニンジン、セロリ、ホウレンソウ、シイタケ、エノキ、ハウス『コクの贅沢シチュー<クリーム>』
・もち麦入りごはん
手羽先入りヨーグルトシチュー、味は意外とごはんに合う!?
それでは、ひさびさのシチュー、
いただきます! まずはやっぱり、
手羽先から!
ガブりとかじると、したたる肉汁。皮はやわらかく、身はふっくらで、火の通り具合はばっちり。
続いてすすったシチューの味は、ヨーグルトの酸っぱさが……ほとんどない! めっちゃいけるで、おばあ! と思わず叫びたくなるおいしさ。
ほんのりと酸味が加わっているけど、ぜんぜん気にならない。それどころか、少しの酸味がシチューそのものの味を引き立てている。
この前、NHKのトリセツショーで、どんな料理にも酢を加えたらさらにおいしくなると言っていたけど、酸味ならヨーグルトでも同じような効果があるのかも。
これならおばあも、きっと気に入ってくれる。介護施設にいるおばあが、いつかまた僕が持ち込んだものを食べられるようになったら、このシチューの点数を聞こう! というわけで、これもいつか味わってもらいたいリストに追加だ。
そして、シチューと言えば、賛否両論あるけど、僕はやっぱり……やってしまった――
シチューオンライス!
ヨーグルトが入っていると思うと変な感じがするけど……食べると、ヨーグルトの酸味の効果なのか、これまで以上にごはんに合う! これは、ひと口食べると止まらない味!
そんなわけで、ごはんもシチューも、まさにあっという間、夢中で平らげてしまった。
シチューに手羽先やヨーグルト、一歩間違うと悲惨なことになっていたかもしれないけど、チャレンジしたからこそ得られたこの満足感。
見たことないアレンジ料理を作り続けたおばあも、想像以上の味のものができたら、こんな気持ちを味わっていたのにちがいない。
今回の新メニュー、大成功だ! 明日また、おばあに報告に行こう!