2021年最後のおばあと、おばあが作った晩ごはん。
大晦日はすき焼きをしてくれるというので、いても立ってもいられず、いつもより早めにおばあの家に向かった。
するとすでにテーブルには料理が並び、おばあはというと――
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すき焼きを、吸い込むような勢いでバクバク食べている真っ最中!?
肉は僕が前日に、年末セールで込み合うスーパーで買ってきた、サシの入った黒毛和牛……の隣にあった切り落とし。でもちょっとだけ奮発して、外国産ではなく宮崎産だ。
赤身が多めで健康的だけど、黒毛和牛より噛み応えしっかり。それをおばあは、総入れ歯の口でガツガツと力強く平らげていく。
この食べっぷりは、まだまだ元気な証拠! と何だか安心して――
僕も食べようとすると、おばあが立ち上がり
「もう、今日は寝るわ」
と言い残し、寝室に消えていった。
おばあの好きなあんこ入りの草餅や、年越しソバも買ってきたのに……それも食べられないほど眠たいんか、おばあ!
そういえばおばあは最近、張り切って料理を作っていた。前日は――
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『鶏レバーとゆで玉子の炊き込みごはん』という驚きの新メニュー。そして大晦日の今日も、すき焼きに加え――
大量のアジの焼いたん、それに――
わかめの乗ったサラダも作ってくれて、さすがに疲れてしまったらしい。
とはいえ、あの食べっぷりなら、まだまだ元気でいてくれるはず! しっかり肉を食べたのだから、あとはゆっくり休んで、元気に新年を迎えてもらいたい!
気がかりなのは、冷蔵庫に残ったソバ。僕だけ食べるのも悪い気がする。
年がかわるまでおばあが起きてこなければ――
すき焼きの糸こんにゃくをすすって、年越しソバということにしておく。細く長くという意味も色も一緒だし、何よりものすごくヘルシー!
結局、僕はひとりで『紅白』と『孤独のグルメ』を見て年越しをした。
そして2022年の元日――
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僕はおばあの家にあった食べ物を、昼用に自分で包んで持って帰った。
餅や黒豆は買ってきたものだけど、酢ゴボウとレンコンはおばあが事前に作っていたものだ。そして昨晩焼いてくれた小アジが、ちょうどお節料理の『ごまめ』みたいで、縁起がいいやんか、おばあ!
お節にしては、かなりシンプルなメニューになったけど、酸味や甘味、塩のしょっぱさ、それに食感もさまざまでおいしくいただけた。餅2個はちょっと物足りないけど、元日くらいは腹八分目で健康的にすごそう。
おばあはというと、僕が残してきたあん入りの草餅を力いっぱい頬張っているのに違いない。今年も無病息災で楽しく過ごせる予感がする。
おばあめしをいつも応援してくれるみなさま
たまたまご覧になった方
すべてのみなさまのご多幸をお祈り申し上げます
今年もどうぞよろしくお願いいたします