まさかの焼き茄子トッピング!? おばあの特製“バリ辛”カレー


まさかの焼き茄子トッピング!? おばあの特製“バリ辛”カレー

メニュー
・カレー
S&B〈ゴールデンカレー バリ辛〉、牛すじ肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、??
・焼きナス
・たけのこの炊いたん(4日め)

・大根おろし
大根、じゃこ
・サラダ
生:トマト、キャベツ 茹で:ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草

スパイシーでかぐわしい香りが、家の外にまで漂っている。今晩はカレーだ! 今日の香りはいつになく辛味が強く、早めの昼食から何も食べていない空っぽの腹を刺激する。さっきすれ違った、帰宅途中らしいよれよれのスーツ着た中年男性はやけに早足だった。疲れのたまったビジネスマンも、辛口の芳醇な香りに、忘れかけていたハングリー精神と空腹を呼び覚まされたのに違いない。

僕は靴を脱いで段差を駆け上がり、居間に続く戸を開けた。食卓のある居間は、スパイシーカレーの濃厚な香りで満たされていた。おばあのつくるカレーはいつも、すこしだけ変化が加えられている。物覚えの悪くなったおばあが毎回、つくりかたを忘れてしまうわけじゃない。新たなおいしさへの探究心をおばあは持ち続けているのだ。今回の変更点はルウだろう。いつもは中辛のところ、香りでわかるほど辛いものが使われている。

席につくと台所にいたおばあがカレーをよそって持ってきてくれた。“りんごとハチミツ”の黄色っぽいバーモントカレーと違い、色が濃くてとろみが少なく、たしかに辛そうだ。

早速スプーンを手に持ち、カレーを口に運びたい衝動に駆られた。同時に、他のおかずが目に止まった。以前、僕がカレーにのせた大根おろしと、丁寧に皮むかれた焼きナスがある。焼きナスはたしか、去年の夏の終わりごろに食べて以来だ。それが今年はじめて、僕のぶんだけが、カレーと一緒に並べられている。

そういえば僕がひとりで自炊していた数年前、レトルトのカレーでナスが入ったものを何度か食べたことがある。大きな輪切りのナスがごろごろと入っていて、カレーとの相性も良かった。

焼いたナスも合いそうだ。もしかしておばあは、大根おろしのときのように、僕がトッピングすることを見越して焼きナスを出したのかもしれない。

おばあは牛すじ肉にたまねぎ、にんじん、じゃがいもをカレーの具材の定番にしている。僕が焼きナスとカレーを組み合わせ、おいしそうに食べるかどうかで、次回の具材にするか決めようとでも思っているのだろう。だったら望むところだ。

皿に盛られた焼きナスをすべてカレーの上にのせた。見た目は微妙だけど、僕はナスがカレーに合うことを知っている。見てろよおばあ、おいしく食べてやる!

カレーにスプーンを勢いよく突き入れると、見慣れない具材が混じっていることに気がついた。黒っぽい表面は、牛すじ肉の一部かと思っていたけど、裏側は皮をむいた焼きナスにそっくりだ。皮ごと小さくスライスされたナスが、すでにカレーに投入されている!

顔をあげると、テーブルの向こう側のおばあがこちらを見ていた。目が合うと不敵に笑った。僕の反応を見るまでもなく、カレーとナスのコンビネーションのよさを確信していたのだ。僕の年齢よりも付き合いが長く、格別の信頼を置くおばあの“女子会”仲間に聞いたのかもしれない。

テーブルの端には焼きナスにかけるために用意したらしい、醤油の小瓶が置かれている。さらに、空になった皿の端には、おろし生姜がのっていた。おばあはもともとこの焼きナスを、カレーにのせるために出したわけじゃなさそうだ。鍋に投入したものの残りを焼いて出したのだ。それならそうと、いってくれれば良かったのに。顔をあげると、おばあはまだ、無言でにやにやと笑っている。僕の行動を観察して楽しんでいる。そう思うと腹が立ってきた。

ひとくち食べたカレーは、おばあがつくったものの中でもっとも辛かった。僕は辛いものは苦手なほうだけど、怒りを抱えた今ならもっと辛くても平気そうだ。辛ければむしろ食欲が増す。一気に平らげてやろうと勢いよく食べはじめたけど、三口めでお茶が欲しくなった。湯呑みに手を伸ばすとまだお茶が入っていなかった。するとおばあがすかさずテーブルのやかんを手に取り、お茶をたっぷりと注いでてくれた。

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